TSUHAN SHIMBUN ONLINE

インターネット・ビジネス・フロンティア株式会社
記事カテゴリ一覧

小林製薬が特損101億円を計上、通期の純利益47%減予想

2024年11月14日 12:00

 小林製薬は第3四半期(1~9月)に自社製造の紅麹製品の回収関連で、新たに22億円の特別損失を計上した。今年8月に開始した利用者への補償費用を含む。製造設備の減損損失2億円と合わせ、特別損失は101億円に膨らんだ。第4四半期以降も、追加計上する可能性がある。

 
 計上を受けて、24年12月期の通期連結業績予想は、純利益を前年比47%減の107億円に修正した。中間決算では、121億円と予想。売上高は、同2.6%減の1690億円の計画を据え置いた。

 補償対応は今年8月に本格化した。「問い合わせ」は、1150件。補償の「申請受付」は650件だった。このうち「判定済」が250件、「判定前.判定中」が400件を占める。

 「判定済」のうち、実際に補償した件数は、「回答を控えたい」(同社)とした。

 第3四半期の売上高は前年同期比3.9%減の1144億5900万円、営業利益は同12.4%減の169億7600万円、経常利益は同14.0%減の179億2100万円、純利益は同65.5%減の53億4400万円だった。

 国内売上高は、同8.7%減の863億9000万円、営業利益は同0.1%減の159億9500万円だった。紅麹による健康被害問題の影響でサプリメントが苦戦したが、芳香剤、消臭剤など日用品が前年並みで推移した。

 インバウンド需要は、24億円増の73億円で、19年と同水準まで回復した。健康被害問題の影響で既存品は97億円減となったが、新製品による増収は33億円増だった。流通店舗への配荷状況の増減は「開示していない」(同)とする。

 ヘルスケア事業の売上高は同9.2%減の431億900万円だった。「医薬品」は同7%減の226億円、「食品」は同30%減の44億円、「オーラルケア」は同3%減の115億円、「スキンケア」は同8%減の45億円だった。

 通販事業の売上高は同34.9%減の36億9200万円。定期購入の解約が増えた。

 今期は、春に15品目、秋に17品目の新製品を発売した。ただ、紅麹事件を受けて、国内は全製品の広告を停止。国内の広告費は同70%減の32億円、販売促進費は同15%減の11億円だった。前年は、年間の広告宣伝費が158億円だった。

 広告は年内は再開しない。再開のめどについて「補償と再発防止策の実施で一定の方向性が確認されれば。来年のどこかの時期。決定していることはない」(同社)としている。

 並行して広告のあり方も検討している。「これまでテレビCMの多い会社だったが、社内外の意見を聞き、新しい形で再開を検討している」(同)とする。

 
楽天 通販のよみもの 業界団体の会報誌「ジャドマニューズ」 通販売上高ランキングのデータ販売