越境EC支援事業を手掛けるジグザグは3月31日、東証グロース市場に新規上場した。初値は公開価格の1500円を上回る2030円、初日の終値は2080円だった。上場により、顧客となるEC事業者間での信頼度・認知向上を狙うほか、事業強化に向けた人材確保を図る。
同社は通販サイトに専用のタグを追加するだけで、海外ユーザーのアクセスを識別して多言語対応し、専用のカートが立ち上がるサービス「ワールドショッピング ビズ」を展開している。同社が海外顧客の購入を代行、海外への発送や顧客対応を行うため、通販事業者はシステム連携やサイトの改修、オペレーションの見直しなどの作業が不要で短期間かつ低コストで導入できる。
初期費用は3万3000円、月間利用料金は5500円。専用タグを追加した通販サイトは、海外からのアクセスのみ、購入代行ソリューション「ワールドショッピング」がポップアップとして表示され、注文へとつなげる仕組みだ。
「ビズ」の利用企業数は公開していないが、2024年5月期における、当月海外売り上げのある「アクティブ店舗数」は、前期比33.2%増の1151店。ビームスやTSIホールディングス、ルミネ、ピーチジョン、タワーレコードなどの通販サイトで採用されている。
228の国と地域に対応。海外売り上げのうち、北米からが54%、アジアからが31%を占める。ファッションのほか、アニメ・おもちゃ・ゲームといったエンターテイメント・ホビー関連商品に需要があり、特に後者は近年取扱高が大きく伸びているという。
今後はエンタメ・ホビー関連市場を強化していくほか、日本の通販サイトの海外販売支援だけではなく、海外通販サイトの自国以外への販売も支援していく計画だ。
なお、同社の24年5月期業績は、売上高が11億600万円、営業利益は2億2100万円、経常利益は1億7700万円、当期純利益は1億6300万円だった。25年5月期は、売上高が14億2700万円、営業利益は2億8500万円、経常利益は2億8400万円、当期純利益は2億600万円を見込む。
同日、記者会見した仲里一義代表取締役は「当社の事業は『ウェブインバウンド』。訪日外国人と同様に、日本の通販サイトにも多くの外国人が来訪しているが、言語や決済、配送がボトルネックになっている。当社はこうした課題をタグ1行で簡単に解決するビジネスを展開している」などと述べた。
仲里代表らとの一問一答
「AIにできない支援を」

3月31日に東京証券取引所で記者会見した仲里一義代表取締役(=写真)らとの主な一問一答は以下の通り。
◇
――初値への受け止めは。
北村康晃取締役「(日経平均が暴落した)3月31日はマーケット的には非常に厳しかったが、そんな中でも公開価格を上回ったわけで、投資家に期待されていることを感じる。その期待に応えられるよう経営していきたい」
――生成AIが急速に進化する中、「タグ1行で簡単に越境EC」に優位性はあるのか。
仲里一義代表取締役「タグ1行の裏に複雑な要素がある。店舗が海外販売できない理由はオペレーションにある。サポートや物流、各国の法律や税金など、全て当社が代行する。また、店舗に寄り添ったマーケティング支援も行っている。これらをワンストップで提供している企業は他にはない」
――アマゾンやアリババなど、仮想モール型越境ECが発展する中で、購入代行という事業はビジネスとして存続できるのか。
仲里代表取締役「日本はアマゾン1強ではないし、仮想モールに出品していない商品もたくさんある。また、カスタマーは(ファンである企業の)一次情報を欲している面もある。一方で事業者が自社サイトで海外販売するにはオペレーションの問題があり、AIではできないこともある。そこをサポートできるのが当社の価値。もちろん、アマゾンやアリババの勢いはすごいが、需要を食い合っているわけではなく、EC事業者はモールと自社サイトを併用できる」
――自社サイトでの「ウェブインバウンド」を標ぼうしているが、競合サービスはあるのか。
仲里代表取締役「ビーノスの『バイイーコレクト』やゼングループの『ゼンリンク』が類似サービスだが、実質的にはモールサービスなどで、『ビズ』とは違う。また、価格面では当社の方が高い場合もあるが、海外カスタマーへの購入代行ソリューションの評価が高いことも強みだ」
――北米やアジア以外での展開は。
仲里代表取締役「ヨーロッパも可能性はあるが、まずは北米・アジアでの認知をもっと上げていきたい」
――利用企業数を伸ばしていくための施策は。
鈴木賢取締役「アクティブ店舗数は1100くらいだが、導入社数はもっとたくさんあるので、まずはアクティブ率を高めていくことが重要。多くの店舗は実店舗も構えているので、リアルとネットの連携を支援していきたい。また『ビズ』の管理画面では『どの国からアクセスがあり、何がいつ売れたか』が分かる。それを元に、例えば『台湾で売れているならインフルエンサーを活用する』など、当社の『ショップサクセス』という部門が支援し、より売れるようにしていきたい」
――ファッション
とエンタメ・ホビー以外で、今後伸びそうなジャンルは。
鈴木取締役「酒類や菓子、だし類などの食品が売れている。また、中国では化粧品もかなり動いているので、伸びしろが大きいのではないか」
――中長期的な成長戦略は。
仲里代表取締役「日本の商品が欲しいカスタマーは100カ国以上にいるので、それを日本で売られている商品とどう気持ち良くつなげていくか。また、リアルのインバウンドカスタマーをきちんとケア・サポートし、帰国してから『ワールドショッピング』を使ってもらうようにすることも大事だ」
同社は通販サイトに専用のタグを追加するだけで、海外ユーザーのアクセスを識別して多言語対応し、専用のカートが立ち上がるサービス「ワールドショッピング ビズ」を展開している。同社が海外顧客の購入を代行、海外への発送や顧客対応を行うため、通販事業者はシステム連携やサイトの改修、オペレーションの見直しなどの作業が不要で短期間かつ低コストで導入できる。
初期費用は3万3000円、月間利用料金は5500円。専用タグを追加した通販サイトは、海外からのアクセスのみ、購入代行ソリューション「ワールドショッピング」がポップアップとして表示され、注文へとつなげる仕組みだ。
「ビズ」の利用企業数は公開していないが、2024年5月期における、当月海外売り上げのある「アクティブ店舗数」は、前期比33.2%増の1151店。ビームスやTSIホールディングス、ルミネ、ピーチジョン、タワーレコードなどの通販サイトで採用されている。
228の国と地域に対応。海外売り上げのうち、北米からが54%、アジアからが31%を占める。ファッションのほか、アニメ・おもちゃ・ゲームといったエンターテイメント・ホビー関連商品に需要があり、特に後者は近年取扱高が大きく伸びているという。
今後はエンタメ・ホビー関連市場を強化していくほか、日本の通販サイトの海外販売支援だけではなく、海外通販サイトの自国以外への販売も支援していく計画だ。
なお、同社の24年5月期業績は、売上高が11億600万円、営業利益は2億2100万円、経常利益は1億7700万円、当期純利益は1億6300万円だった。25年5月期は、売上高が14億2700万円、営業利益は2億8500万円、経常利益は2億8400万円、当期純利益は2億600万円を見込む。
同日、記者会見した仲里一義代表取締役は「当社の事業は『ウェブインバウンド』。訪日外国人と同様に、日本の通販サイトにも多くの外国人が来訪しているが、言語や決済、配送がボトルネックになっている。当社はこうした課題をタグ1行で簡単に解決するビジネスを展開している」などと述べた。
「AIにできない支援を」
――初値への受け止めは。
北村康晃取締役「(日経平均が暴落した)3月31日はマーケット的には非常に厳しかったが、そんな中でも公開価格を上回ったわけで、投資家に期待されていることを感じる。その期待に応えられるよう経営していきたい」
――生成AIが急速に進化する中、「タグ1行で簡単に越境EC」に優位性はあるのか。
仲里一義代表取締役「タグ1行の裏に複雑な要素がある。店舗が海外販売できない理由はオペレーションにある。サポートや物流、各国の法律や税金など、全て当社が代行する。また、店舗に寄り添ったマーケティング支援も行っている。これらをワンストップで提供している企業は他にはない」
――アマゾンやアリババなど、仮想モール型越境ECが発展する中で、購入代行という事業はビジネスとして存続できるのか。
仲里代表取締役「日本はアマゾン1強ではないし、仮想モールに出品していない商品もたくさんある。また、カスタマーは(ファンである企業の)一次情報を欲している面もある。一方で事業者が自社サイトで海外販売するにはオペレーションの問題があり、AIではできないこともある。そこをサポートできるのが当社の価値。もちろん、アマゾンやアリババの勢いはすごいが、需要を食い合っているわけではなく、EC事業者はモールと自社サイトを併用できる」
――自社サイトでの「ウェブインバウンド」を標ぼうしているが、競合サービスはあるのか。
仲里代表取締役「ビーノスの『バイイーコレクト』やゼングループの『ゼンリンク』が類似サービスだが、実質的にはモールサービスなどで、『ビズ』とは違う。また、価格面では当社の方が高い場合もあるが、海外カスタマーへの購入代行ソリューションの評価が高いことも強みだ」
――北米やアジア以外での展開は。
仲里代表取締役「ヨーロッパも可能性はあるが、まずは北米・アジアでの認知をもっと上げていきたい」
――利用企業数を伸ばしていくための施策は。
鈴木賢取締役「アクティブ店舗数は1100くらいだが、導入社数はもっとたくさんあるので、まずはアクティブ率を高めていくことが重要。多くの店舗は実店舗も構えているので、リアルとネットの連携を支援していきたい。また『ビズ』の管理画面では『どの国からアクセスがあり、何がいつ売れたか』が分かる。それを元に、例えば『台湾で売れているならインフルエンサーを活用する』など、当社の『ショップサクセス』という部門が支援し、より売れるようにしていきたい」
――ファッションとエンタメ・ホビー以外で、今後伸びそうなジャンルは。
鈴木取締役「酒類や菓子、だし類などの食品が売れている。また、中国では化粧品もかなり動いているので、伸びしろが大きいのではないか」
――中長期的な成長戦略は。
仲里代表取締役「日本の商品が欲しいカスタマーは100カ国以上にいるので、それを日本で売られている商品とどう気持ち良くつなげていくか。また、リアルのインバウンドカスタマーをきちんとケア・サポートし、帰国してから『ワールドショッピング』を使ってもらうようにすることも大事だ」