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ANA X仮想モールが〝旅中〟での露出強化、空港や機内での告知を開始

2025年 3月27日 12:00

 ANAグループの仮想モール「ANA Mall」の運営を手掛けているANA Xでは、航空利用者への認知拡大に向けて、空港や機内などリアルも活用したPRを強化している。メイン顧客でもあるANA搭乗客のANAマイレージクラブ(AMC)会員の旅の導線上での露出機会を増やすことで、新規とリピートの双方への呼び掛けを強めていく考え。

 同モールでは、直近1年間での利用登録者数が2・5倍以上となっており、客足の拡大が続いている。背景には出店者数の拡大に伴う取り扱いジャンルの広がりもあるが、もう一つにはリアルとネットの双方で販促活動を拡大していることもあるという。

 元々、同社ではANAグループが運営する「ANA SKY WEB」と「ANAマイレージクラブアプリ」を通じてモールの情報などを発信。キャンペーンやイベント情報の拡散を図っていたが、今期からはより航空利用の顧客導線に着目して、「旅」に紐づいた場面での露出を強化している。

 まず、「旅前」の導線としてはANAマイレージクラブアプリの中で、ポップアップ表示などの露出量を拡大。そして、「旅中」においては、羽田空港国内線の各所にあるデジタルサイネージの活用を開始(画像)。モール開設2周年記念キャンペーンの告知などを行っている。

 また、機内では(座席前モニターでの)CMやデジタルも含めた機内誌での露出に加え、新たにインフォメーションカードの配布も始めている。これは、機内の搭乗客が自由に取れる形で紙の告知情報として置いているもので、機内を活用したグループならではの販促手法となっている。

 元々、ANAグループが持つ資産を活用して訴求することは、以前より出店者から期待されていたところ。「旅中において空港回り、機内周りと連携できたことは非常に大きく、それがこのモールの価値になっている」(同社)とする。

 そのほか、認知拡大と関連して、モールの新規登録が増える起爆剤として新たに期待されているのが、ANAの「プレミアムメンバーステイタス」だ。

 元々、同ステイタスについては、飛行機やグループ内のその他のサービス利用において積算されるポイントの獲得数によって決定していた。それが今年からは、その他サービスでポイントを貯める場合、旅行ツアー商品の「ANAトラベラーズ」と、同モールの2つを利用することが必須条件になったという。

 「一度モールに足を運ぶ機会は少なからず増える。その一回だけにとどまらず、何回も利用されてもらうようにしたい」(同)と説明。露出面の拡大と合わせて、新規獲得につながるチャンスにしていく考え。
 
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