ヒット商品となっている、フェリシモが1月に発売した「わんこのための本格中華を好きなだけ、犬七番飯店の会」。同社のペットをテーマとした商品では、猫好きを対象とした「猫部」が有名だが、これは猫好きのための猫グッズが中心。同社がペット用おもちゃを販売するのは珍しい。
同社によると、8割の愛犬家がSNSでペット写真を投稿し、5個以上の犬用おもちゃを所持しているという外部の調査結果があるという。中華料理を模した特徴的なデザインに仕上げたことで「映える」のはもちろん、「犬が好きそうな要素を入れる」ことで「犬と飼い主が遊びやすい」、つまりコミュニケーションが取りやすいおもちゃとなったわけだ。
犬向け商品を開発するのは初めてということもあり、既存顧客以外へのアプローチで重要になってくるのは、やはりSNS。猫部担当者のアドバイスもあり「かわいらしさを感じられる写真を載せることに専念した」(クラスター本部特別企画販売Gの赤木圭史氏)ことが奏功。さらには、犬が楽しそうに遊んでいる姿やおもちゃと戯れる躍動感を見せるために、動画も活用した。
犬が口に入れる商品ということもあり、品質管理には細心の注意を払った。例えば、噛んだときに面ファスナーで口内が傷つく恐れもあるので、角を丸めるといった工夫を施した。「乳幼児向け基準ほどではないが、安全性は十分担保することができた。とはいえ、犬によって習性はさまざまなので、フィードバックを参考に改善することでより安心安全な商品にしていきたい」(クラスター本部未来価値開発室の武智直久部長)。
値段については、主要仮想モールで売れている犬用おもちゃの価格を調査した。平均で約1500円だったことから、それ以下に収めることに腐心。1セット1100円という「ワンワン価格」になった。
発売後、SNSなどで大きな話題となった犬七番飯店の会。「第一声で『かわいい』という消費者が本当に多かった」(赤木氏)。常にかわいらしいだけではなく、本物の中華料理そっくりに仕上げたことで消費者の興味関心を引き、さらに「『実際に犬に遊ばせてみたら本当に食いつきがいい』というコメントが目立った」(同)。
約1カ月で1万4000個の予約を受注、当初見込んでいた販売数の3倍となった。赤木氏は「想定外の売れ行き。特に、既存顧客ではなく、外部顧客の反応が非常に良かった」と顔をほころばせる。特に、同社公式Xを経由して購入する人が多いほか、2月に投稿した動画の反応も非常に良いという。

ただ、犬七番飯店は同社の特徴的な売り方である「コレクション(定期便)商品」。つまり、欲しいアイテムを選んで買えるわけではなく、1カ月ごとにランダムで商品が届き、7カ月間で全7アイテムを揃えるというスタイルだ。つまり、同社商品のファン以外にはあまりなじみのない売り方といえる。武智部長は「新規顧客がどんな反応をするのかは未知数で、正直なところハードルが高いと思っていた。ただ、新規にとっては障壁となりかねない『7カ月』があっても、関心を持ってくれる消費者が非常に多いというのは、嬉しい誤算」とし、さらに「『何が届くか分からない』というのは、届いたアイテムの感想を投稿できるということで、SNS向きということなのかもしれない」と分析する。
思わぬヒットとなったフェリシモの犬用おもちゃ。今後の展開について、武智部長は「おもちゃだけではなく、食べ物や衛生用品、散歩用グッズなど、犬向け商品という切り口ならさまざまな商品が考えられる。また、今回のおもちゃは小型犬向けだが、中型犬や大型犬もいるので、そういった犬が対象の商品も考えたい」と話す。まず、犬七番飯店購入者への定期便が完了した段階で、アンケートを行って犬向け商品の需要を探っていく。さらに武智部長は「これまで犬に特化した商品を作っていなかったのに、たくさんの新規顧客に反応してもらえた。犬七番飯店がゴールではなく、顧客の需要を踏まえながら面を拡大し、猫部に『噛みつく』くらい成長できれば」と笑う。(おわり)
同社によると、8割の愛犬家がSNSでペット写真を投稿し、5個以上の犬用おもちゃを所持しているという外部の調査結果があるという。中華料理を模した特徴的なデザインに仕上げたことで「映える」のはもちろん、「犬が好きそうな要素を入れる」ことで「犬と飼い主が遊びやすい」、つまりコミュニケーションが取りやすいおもちゃとなったわけだ。
犬向け商品を開発するのは初めてということもあり、既存顧客以外へのアプローチで重要になってくるのは、やはりSNS。猫部担当者のアドバイスもあり「かわいらしさを感じられる写真を載せることに専念した」(クラスター本部特別企画販売Gの赤木圭史氏)ことが奏功。さらには、犬が楽しそうに遊んでいる姿やおもちゃと戯れる躍動感を見せるために、動画も活用した。
犬が口に入れる商品ということもあり、品質管理には細心の注意を払った。例えば、噛んだときに面ファスナーで口内が傷つく恐れもあるので、角を丸めるといった工夫を施した。「乳幼児向け基準ほどではないが、安全性は十分担保することができた。とはいえ、犬によって習性はさまざまなので、フィードバックを参考に改善することでより安心安全な商品にしていきたい」(クラスター本部未来価値開発室の武智直久部長)。
値段については、主要仮想モールで売れている犬用おもちゃの価格を調査した。平均で約1500円だったことから、それ以下に収めることに腐心。1セット1100円という「ワンワン価格」になった。
発売後、SNSなどで大きな話題となった犬七番飯店の会。「第一声で『かわいい』という消費者が本当に多かった」(赤木氏)。常にかわいらしいだけではなく、本物の中華料理そっくりに仕上げたことで消費者の興味関心を引き、さらに「『実際に犬に遊ばせてみたら本当に食いつきがいい』というコメントが目立った」(同)。
約1カ月で1万4000個の予約を受注、当初見込んでいた販売数の3倍となった。赤木氏は「想定外の売れ行き。特に、既存顧客ではなく、外部顧客の反応が非常に良かった」と顔をほころばせる。特に、同社公式Xを経由して購入する人が多いほか、2月に投稿した動画の反応も非常に良いという。
思わぬヒットとなったフェリシモの犬用おもちゃ。今後の展開について、武智部長は「おもちゃだけではなく、食べ物や衛生用品、散歩用グッズなど、犬向け商品という切り口ならさまざまな商品が考えられる。また、今回のおもちゃは小型犬向けだが、中型犬や大型犬もいるので、そういった犬が対象の商品も考えたい」と話す。まず、犬七番飯店購入者への定期便が完了した段階で、アンケートを行って犬向け商品の需要を探っていく。さらに武智部長は「これまで犬に特化した商品を作っていなかったのに、たくさんの新規顧客に反応してもらえた。犬七番飯店がゴールではなく、顧客の需要を踏まえながら面を拡大し、猫部に『噛みつく』くらい成長できれば」と笑う。(おわり)