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キューサイ 青汁CMで再認知、主力事業への波及狙う

2024年11月 7日 12:07

 キューサイは、青汁の新CMを展開する。サプリメントや化粧品など収益性の高い事業への投資を重視し、これまで積極的な広告投資は行っていなかった。一方で、「キューサイ青汁」の認知率は、約7割に達する。CM展開で再認知を図り、コアなファン層がいる青汁を接点に、ほかの事業への波及を狙う。

 キューサイは、90年代に俳優の八名信夫さんを起用したCMを展開。「まず~い、もう一杯!」というフレーズで高い認知を得た。これをオマージュしたCMで、当時を知り、生活習慣の見直しを意識し始めた40~50代の男性層にアプローチする。

 新CM(=画像、60秒、120秒)は、今年11月から関西エリアで始めた。イメージキャラクターになかやまきんに君を採用。「本物は、まずい。」のフレーズで効果感を訴求したり、中高年層の健康課題に訴える。ウェブでも動画広告を展開している。

 パッケージデザインも過去の製品の復刻版に変更して、当時の印象を喚起する。冷凍タイプを初回限定価格(7袋、税込980円)で展開。ほかに粉末タイプの製品も展開することで、顧客の選択肢を広げる。

 現在、総売上高に占める青汁の売上高は、約1割を占める。中心顧客は、60~70代。長期の愛用者が多い。ただ、ほかのヘルスケア商品やスキンケア商品への投資が中心になっており、90年代に展開したCM以降、大規模な広告投資は行なっていなかった。事業単体の売り上げも緩やかな減少基調にあった。青汁は一般的に夏場に需要が高まるが、キューサイは定期顧客が多く、季節性に応じた波はなかった。

 20年には、原料のケールにフォーカスするリブランディングを行った。ケールの認知を図るため、製品名を「ザ・ケール」に変更。内外美容の訴求など、若年層へのアプローチを強めていた。

 一方で、企業イメージでは「ケール」より、「青汁=キューサイ」のイメージが定着する。CMでは冷凍タイプを放映するが、青汁利用のライト層ではなく、コアなファン層との親和性が高いとみる。高い認知を持つ製品の再認知で、新規顧客との接点を築き、他製品へのクロスセル、継続的な関係構築など、顧客育成の可能性を探る。
 青汁は、ほかに原料販売や流通卸など法人向けの展開も行っている。原料販売は、飲食店への提供を行う。プロテインや飴とのコラボレーション商品の開発、「ワタミの宅食」への商品提供も行っている。

 なかやまきんに君は、福岡出身で、中学生だった当時、親にお願いしてキューサイの青汁を注文した顧客でもある。ボディービルダーとして活動するなど健康的な身体づくりの知識も高い。近年は、ユーチューブでのオンラインフィットネスの配信、プロテイン商品の開発などで認知を得ている。CMの反響の検証を通じて、連携した取り組みも検討していく。
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