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新シリーズは、「オルビス ショットプラス」。洗顔料、化粧水、ミルクの3アイテム(=画像、税込990円~1210円)を展開する。
商品は、グループの知見を活かして「高コスパ」の価値を提供する。ポーラ化成工業が持つ独自のナノカプセル技術で、複数の美容成分の肌への高浸透を実現する。
全国のマツモトキヨシグループ、ココカラファイングループの店舗(一部店舗を除く)、アマゾンで販売する。自社通販サイトや直営店の販売は予定していない。展開店舗数はすでに2500店を超えているが、さらに拡大し、直販で接点を得にくいユーザーと接点をつくる。展開を通じて、企業ブランディングも行う。
店頭では、専用什器で情報発信する。テレビCMによるプロモーションは行わず、美容誌やSNSで認知を図る。販売目標は開示していないが、化粧水を中心に売れ行きは「当初計画比の2倍以上」(同社)。また「1品購入ではなくエイジングケアシリーズとして3ステップでまとめて購入されている傾向がある」(同)という。
化粧品市場は、1万円以上の「高付加価値」と、1500円以下の「低価格帯」の二極化が進む。オルビスは、これまで高付加価値のエイジングケア化粧品を直販中心で展開。収益性を向上させてきた。
コロナ禍で、化粧品分野のEC利用は一時的に増えた。ただ、「化粧品、医薬品」のEC化率は約8%(22年度、経済産業省調べ)。オルビスは、国内事業におけるEC化比率は6割を超えていると推計するが、一般化粧品市場において実店舗の存在感はまだ大きい。
店頭市場の中心はドラッグストア。約8割が1000円前後の「プチプラコスメ」を利用する。異業種の新規参入で市場が拡大してきた。
オルビスは、ヘアケアの「エッセンスインヘアミルク」のヒットで流通網が広がった。商品は、「@cosme」の総合大賞を受賞。SNSのくちコミを中心に認知を高める。シリーズは、21年比で約9倍を販売。マツモトキヨシ、ココカラファインなど2万を超える店舗に幅広く展開する。
ニキビケア、メンズ化粧品も直販・流通で展開するが、直販しないのは今回が初めて。新シリーズで、多様な顧客のビューティーニーズに応え、「生活者を取り残さない」というサステナビリティ戦略の一環としても進める。