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楽天、代々木公園で「食フェス」開催 楽天市場出店者やメーカーがブース出店

2024年10月17日 12:00

 楽天グループは10月11~14日、東京都渋谷区の代々木公園において、仮想モール「楽天市場」出店店舗などが、もつ鍋や焼き鳥、スイーツなどを販売する出店を設ける「食フェス」を開催した。

 「食いしんぼう祭 Presented by Rakuten」は、代々木公園にて開催された「第15回 九州観光・物産フェアin代々木2024」内の一区画において実施された。32ブースを設けており、このうち楽天市場に出店しているのは21店舗、約半数が楽天の主催するオフラインイベントには初参加という。

 アカウントイノベーションオフィス(AIO)でフード&ドリンクカテゴリーコンサルティング課ビジネスクリエーショングループのマネージャーを務める西本佑介氏は「食品市場はウェブよりオフラインの方がまだまだ大きい。メーカーに注目されるイベントを開催したいと考えた」と企画の端緒を説明。AIOはメーカーを中心に、大手クライアントのビジネスをサポートするのがミッションだ。

 「イベントが『グルメといえば楽天だよね』というイメージを想起してもらうきっかけになれば」(西本マネージャー)。またOMO施策として、代々木公園での買い物と楽天市場での買い物を、スタンプカードを介してつなげるのも初の試み。スタンプを貯めると、今秋放送を予定しているアニメ「お買いものパンダ!」の特製グッズや買い回りの数に応じて「楽天ポイント」を進呈する。

 楽天市場外での販促面としては、渋谷駅と原宿駅に交通広告を掲示。また、渋谷スクランブル交差点の広告用スクリーン「楽天ビジョン」でも宣伝した。「渋谷や原宿の広告見て、普段はそこまで楽天を使わないユーザーに来場してもらいたい」(同)。

 ウェブにおいては、9月17日よりイベントと連動した特設ページを設け、楽天市場の食品約240点を紹介。大型セール「お買い物マラソン」の日程と重なったこともあり、動きは良かったという。特設ページは10月18日まで。西本マネージャーは「今回は東京のみの開催だが、地方の店舗にとっては参加のハードルが高い部分もある。将来的には1カ月の期間中、全国で同様のイベントを開き、スタンプを集められるようにしたい」と展望を語る。

 イベントに参加した「水郷のとりやさん」を運営する、須田本店の須田健久代表取締役は「楽天が主催する東京でのイベントは久々なので、当店の焼き鳥を食べた消費者に楽天市場で買ってもらうのはもちろん、千葉県香取市の店舗にも来てもらえれば」と期待感をにじませる。また、楽天主催のオフラインイベントには初参加となる「【THE ROAST BEEF】」はローストビーフ丼を販売。運営するデクノバースの酒井一輝取締役COOは「楽天市場には2020年4月から出店しているが、どういう顧客がついているのかが分かりにくい面があるので、顔を見たいという思いで出店した」と述べた。

 今回は、小売り事業者だけではなく、メーカーのサントリーが出店したのがこれまでの食に関するイベントとの違いとなる。ビール「プレミアム・モルツ」販売のほか、ワイン「コルンピオ」の飲み比べができるようにした。サントリーEC営業本部EC営業支社第2支店の田中雅章氏は「楽天市場におけるワイン市場は大きく、楽天でのワインの取り組みに大きな価値を感じているので、飲み比べができるようにした。小売り事業者と一緒にオフラインイベントに参加する機会はめったに無いので、とても魅力的。オンラインとオフラインの垣根が無くなってきているので、それを加速するイベントになるのではないか」と話した。

 「九州観光・物産フェア」を主催する、FAIR NEXT INNOVATIONの横山学社長は、「当社はウェブでたくさん売っている企業との接点が無かったので、トレンドのアイテムなども集まり、イベント自体の質が上がったのではないか。普段食フェスには来ない消費者や、出店しない企業が集まることで、ビジネス的にも広がりが出てくる」と、楽天とのシナジーについて語った。
 
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