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同社によると、主力である家具商品を取り巻く市場環境として、原材料価格や物流費の上昇などに直面。為替相場の急激な円安も相まって、コスト対策が喫緊の課題になっているという。
そのため、同社の旗艦店である自社通販サイトの「LOWYA(ロウヤ)」と、越境ECサイトの「DOKODEMO(ドコデモ)」において、まずは販促費やマーケティングコストの削減を実施。サービスの露出が抑制されたことで両事業とも前年度通期では減収となったが、利益面で寄与し、ロウヤ事業では第4四半期(1~3月)が前年同期比215・3%増の4億6200万円となり過去最高益を記録。価格転嫁も進んで客単価も上昇した。
ドコデモ事業についても、第4四半期は収益構造が改善し、事業収支が第3四半期に続いて黒字を達成するなど利益改善を果たしている。
課題解決に向けては、浮城智和社長自身が「考えられるところは全部徹底的に行った。創業以来、請求書を一つずつここまで見直したのは初めてくらいすべて見た」と語るように、細部にまでこだわった。ポイント・クーポンの抑制や物流費の見直し、不要なシステムの解約など多岐に渡っている。
中でも大きかったのがウェブ広告の削減で、これが実現できた背景にはSNSの効率的な販促施策があった。同社では前期末までに公式アプリダウンロード数が前年比68・8%増の150万件、フォロワー数についても「インスタグラム」が同18・8%増の100万、「ティックトック」は同113・3%増の22万、「ユーチューブ」のチャンネル登録者数は同280・7%増の10万と、自社のコミュニティ上に多くのファンを抱えている強みがある。
これらのチャネルの活用の一例として、同社が前期より肝煎りで進めている実店舗展開について、通常であれば新店舗オープンの際に告知宣伝の費用が必要となるが、SNS上でのフォロワーに向けた告知を軸としたことで、大きなコストをかける必要がなかったという。結果的に昨年度は3店舗を開設したが、それぞれの店舗でオープン直後から多くの来場者数を獲得できたとしている。
生産拠点のシフト進む
そのほか、商品製造の面でもコスト改善に着手。同社では売り上げの約9割を自社開発商品が占めており、従来は中国での生産が多かったが、最近ではインドネシアやベトナムなどへ製造国をシフト。また、円安が長引く状況を踏まえて、将来的には日本製の商品の構成比を上げることも検討していく。
なお、コスト改善を理由とした取扱商品カテゴリーの見直しや縮小などについては考えておらず、「基本的には顧客のニーズがあった商品を開発したい。ニーズがなくならない限りはそのカテゴリーを見直ししない」(浮城社長)とした。