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風邪薬のカイゲン、健食通販を強化

2010年10月21日 12:06

 風邪薬で知られるカイゲンが健康食品通販を本格化させる。10月19日にグルコサミン配合の健食をリニューアル発売。価格の大幅な引き下げを実現しており、今後、認知度の高い機能性成分を用いた健食のシリーズ化を進め、幅広い顧客層取り込んでいく考えだ。同社はすでに特定保健用食品(トクホ)を取得した健康飲料を通販展開している。新商品と併せ、通販事業で3年~5年をメドに従来比5倍にあたる事業規模への拡大をめざす。

 新発売する「カイゲンのグルコサミン」(120粒、税込3300円)は、グルコサミンに加え、これをサポートする「SAMe(S―アデノシルメチオニン)」という成分を配合した。

 「SAMe」は、欧州や国内で医薬品成分として広く科学的知見があるもの。カイゲンでは清酒から取り出したSAMeを含む酵母を他社に先駆けて原料に用い、コンドロイチンやコラーゲンとの掛け合わせが一般的なグルコサミン市場で他社との差別化を図る。

 また、グルコサミン配合の健食発売を皮切りに健食をシリーズ化していく意向で、11月中旬には、ブルーベリーを配合した第2弾商品を発売。「2アイテムが軌道に乗れば第3弾、第4弾となる商品を展開していく」(食品事業部)としている。これまで、コレステロールや整腸関連のトクホ飲料「コレカットレモン」を中心とした展開では顧客層が限られていたが、ラインアップの拡充で安定的な顧客基盤を築く。

 カイゲンが商品リニューアルに取り組む背景には、市場環境の変化がある。これまでもグルコサミン配合の「アルスラックゴールド」、ルテイン配合の「アイシャープ」という商品を展開していたが、名称から商品情報が伝わりにくいだけでなく、それぞれ約7000円と高価格帯に位置するなど市場における価格競争力を失っていた。このことが、顧客の継続化や新規獲得のネックにもなっていた。

 新商品は原料を従来の「グルコサミン硫酸塩」から、市場に広く流通し、原料が比較的安価な「グルコサミン塩酸塩」に変更。商品原価を抑えることで価格の引き下げを実現した。第2弾以降の商品も「可能であればワン・プライス(税込3300円)で展開したい」(同)としており、原料調達面で調整することを検討していく。

 カイゲンは、主力の「コレカットレモン」がトクホを取得した96年に通販事業を開始。1アイテムでコレステロールと整腸関連の2種類の表示許可を得ていることを強みとしてきた。

 売上高は非公表だが数億円規模に達しているとみられ、アクティブ顧客は約1万人。中心年齢層は50~60歳代だ。

 通販専任部署は設けていないが今年6月に会員誌を刷新、新商品発売に合わせて通販サイトをリニューアルするなど、今年に入り通販強化に乗り出している。

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