米国発のスマートキッチン家電「Hestan Cue(ヘスタンキュー)」が今年1月に日本に上陸し、徐々にその知名度を高めつつある。日本は米国に比べてキッチン家電のIoT化が遅れているものの、増加するデジタルシニア層などとの相性がいいようで、数年をかけて日本市場でも存在感を高めていくという。
現在、米国ではキッチン家電をIoT化してキッチン周りのアプリを連携させる”キッチンOS”というプラットフォームがトレンドで、レシピ検索サイトや食材のECモール、キッチン家電などがデータを通じて連携。メーカーも多くのスマートキッチン家電を開発しており、中でも「ヘスタンキュー」は世界20カ国以上で展開するスマートキッチン家電の代表的商品という。
「ヘスタンキュー」は、有名レストランのシェフや料理研究家などによるレシピが専用アプリ内でプログラム化され、IHヒーターおよび調理器具と連動し、加熱温度や時間を自動でコントロールするため、誰でも簡単にプロ級の料理に仕上げることができる。
38度~259度まで1度単位で調理温度をコントロールし、長時間のタイマーもセットできるため、流行りの低温調理などにも向いているという。
国内では、必要な食材がそろった”ミールキット”と、材料を投入してスイッチを入れるだけで料理が完成する”ほったらかし家電”の組み合わせがトレンドのひとつだが、「ヘスタンキュー」はスマートキッチン家電ではあるものの、人が介在することで人の手の温もりや、料理をする楽しさを感じることができるのが特徴だ。
商品はスマートIHヒーター(税込5万5000円)とスマートフライパン(同3万3000円)、スマートソースパン(同3万3000円)を展開。調理器具は親会社で世界的に有名なマイヤー社が生産しており、専用のIHヒーター以外にも直火などのあらゆる熱源に対応する。
専用アプリ内のレシピは世界中で開発され、順次拡大するためメニューに飽きることなく、さまざまな料理に挑戦できる。現在、世界で700程度のレシピがあり、日本向けには約450種類のレシピを用意。サバの味噌煮や筑前煮など日本独自で開発した和食レシピ約50種類も含まれており、今後も国内の有名レストランが監修したレシピなどを随時更新していく予定だ。
通販チャネルの販売を強化
日本での販路は自社ECに加え、卸先を経由したアマゾンなどのECモールや百貨店、量販店や蔦屋家電といった専門店で販売している。
テレビの経済ドキュメンタリー番組で取り上げられたこともあり、日本での販売開始直後、約1時間で初回限定予約数の100台がすぐに完売するなど、好調な出だしとなったようで、2022年内に1800台の販売を見込んでいる。
「ヘスタンキュー」の日本代理店を務めるFelicidad(フェリシダ)の上野雄太郎代表(=
顔写真)によると、当初は百貨店での実演販売が中心になると見ていたが、実際にはECチャネルが7割を占めているという。
ターゲット層についても、30~50代で塊肉を買って調理する人や、iPhoneを並んで購入する人などを想定していたものの、購入者の約63%が60歳以上で、デジタルシニアと呼ばれる男女の割合が多く、コロナ禍で日常生活の中にデジタルを抵抗なく取り入れ始めた層が目立つ。
認知拡大に向けては、商品を体験できるブースを東京・八重洲の野外フードコートに出展したり、百貨店でクッキングデモを実施したりしている。
また、ECチャネルでの販売実績が多いことからも、オンライン上では商品の価値を伝えるためのコンテンツ制作に力を注いでおり、有名なレストランやシェフに「ヘスタンキュー」の商品を使ってもらって使用感などを動画で配信している。
加えて、高額な家電は店頭で見て気に入った商品についてさらにネットのレビューなどを確認してから購入を決める人も多いことから、今後はECモールでレビュー数を充実させるためのキャンペーンを展開することも視野にある。
「ヘスタンキュー」商品の利用頻度については、米国では1週間のうち25%なのに対し、日本では50%に上ることから、使用し続けてもらうためにもレシピの拡充を最優先に取り組んでおり、食品メーカーや有名レストランとの共同開発や、主力の顧客層であるシニア世代に向けたレシピ開発も重視していく。
ただ、レシピ開発は米国のラボでデジタル連携のためのデータ取りを行うため、日本側が想定するスケジュール通りに進まなかったり、例えば”照り”などの調理法を正確に伝えるも大変だったりと、苦労の連続のようだが、「手を抜かずに完成度の高いレシピを開発していきたい」(上野代表)とする。
商品面では日本のユーザーが使いやすいサイズ、重量の商品開発についても検討していきたい考え。
通販チャネルについては、百貨店の通販カタログでの展開を始めたほか、今後はテレビ通販での打ち出しも計画しているようだ。
また、将来的には卸先を通じたBtoB展開も視野にある。例えば、焼き加減を統一できるという商品特徴を生かし、多店舗展開している飲食店のメニューをプログラム化してアプリに組み込み、各店舗で使ってもらうことで調理水準の均一化につなげたり、新築の戸建てやマンションの住人にオプションとして「ヘスタンキュー」を提供することなども検討している。
現在、米国ではキッチン家電をIoT化してキッチン周りのアプリを連携させる”キッチンOS”というプラットフォームがトレンドで、レシピ検索サイトや食材のECモール、キッチン家電などがデータを通じて連携。メーカーも多くのスマートキッチン家電を開発しており、中でも「ヘスタンキュー」は世界20カ国以上で展開するスマートキッチン家電の代表的商品という。
「ヘスタンキュー」は、有名レストランのシェフや料理研究家などによるレシピが専用アプリ内でプログラム化され、IHヒーターおよび調理器具と連動し、加熱温度や時間を自動でコントロールするため、誰でも簡単にプロ級の料理に仕上げることができる。
38度~259度まで1度単位で調理温度をコントロールし、長時間のタイマーもセットできるため、流行りの低温調理などにも向いているという。
国内では、必要な食材がそろった”ミールキット”と、材料を投入してスイッチを入れるだけで料理が完成する”ほったらかし家電”の組み合わせがトレンドのひとつだが、「ヘスタンキュー」はスマートキッチン家電ではあるものの、人が介在することで人の手の温もりや、料理をする楽しさを感じることができるのが特徴だ。
商品はスマートIHヒーター(税込5万5000円)とスマートフライパン(同3万3000円)、スマートソースパン(同3万3000円)を展開。調理器具は親会社で世界的に有名なマイヤー社が生産しており、専用のIHヒーター以外にも直火などのあらゆる熱源に対応する。
専用アプリ内のレシピは世界中で開発され、順次拡大するためメニューに飽きることなく、さまざまな料理に挑戦できる。現在、世界で700程度のレシピがあり、日本向けには約450種類のレシピを用意。サバの味噌煮や筑前煮など日本独自で開発した和食レシピ約50種類も含まれており、今後も国内の有名レストランが監修したレシピなどを随時更新していく予定だ。
通販チャネルの販売を強化
日本での販路は自社ECに加え、卸先を経由したアマゾンなどのECモールや百貨店、量販店や蔦屋家電といった専門店で販売している。
テレビの経済ドキュメンタリー番組で取り上げられたこともあり、日本での販売開始直後、約1時間で初回限定予約数の100台がすぐに完売するなど、好調な出だしとなったようで、2022年内に1800台の販売を見込んでいる。
「ヘスタンキュー」の日本代理店を務めるFelicidad(フェリシダ)の上野雄太郎代表(=顔写真)によると、当初は百貨店での実演販売が中心になると見ていたが、実際にはECチャネルが7割を占めているという。
ターゲット層についても、30~50代で塊肉を買って調理する人や、iPhoneを並んで購入する人などを想定していたものの、購入者の約63%が60歳以上で、デジタルシニアと呼ばれる男女の割合が多く、コロナ禍で日常生活の中にデジタルを抵抗なく取り入れ始めた層が目立つ。
認知拡大に向けては、商品を体験できるブースを東京・八重洲の野外フードコートに出展したり、百貨店でクッキングデモを実施したりしている。
また、ECチャネルでの販売実績が多いことからも、オンライン上では商品の価値を伝えるためのコンテンツ制作に力を注いでおり、有名なレストランやシェフに「ヘスタンキュー」の商品を使ってもらって使用感などを動画で配信している。
加えて、高額な家電は店頭で見て気に入った商品についてさらにネットのレビューなどを確認してから購入を決める人も多いことから、今後はECモールでレビュー数を充実させるためのキャンペーンを展開することも視野にある。
「ヘスタンキュー」商品の利用頻度については、米国では1週間のうち25%なのに対し、日本では50%に上ることから、使用し続けてもらうためにもレシピの拡充を最優先に取り組んでおり、食品メーカーや有名レストランとの共同開発や、主力の顧客層であるシニア世代に向けたレシピ開発も重視していく。
ただ、レシピ開発は米国のラボでデジタル連携のためのデータ取りを行うため、日本側が想定するスケジュール通りに進まなかったり、例えば”照り”などの調理法を正確に伝えるも大変だったりと、苦労の連続のようだが、「手を抜かずに完成度の高いレシピを開発していきたい」(上野代表)とする。
商品面では日本のユーザーが使いやすいサイズ、重量の商品開発についても検討していきたい考え。
通販チャネルについては、百貨店の通販カタログでの展開を始めたほか、今後はテレビ通販での打ち出しも計画しているようだ。
また、将来的には卸先を通じたBtoB展開も視野にある。例えば、焼き加減を統一できるという商品特徴を生かし、多店舗展開している飲食店のメニューをプログラム化してアプリに組み込み、各店舗で使ってもらうことで調理水準の均一化につなげたり、新築の戸建てやマンションの住人にオプションとして「ヘスタンキュー」を提供することなども検討している。