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しまむらの前期 EC売上は計画未達、店舗での受け取りが9割超

2022年 4月 7日 13:00

 カジュアル衣料大手のしまむらの2022年2月期におけるEC売上高は28億円にとどまった。上期にEC専用物流センターがフル稼働できなかったほか、外部倉庫の活用方針を改め、当初計画していた3事業でのEC展開をバースデイ事業に絞ったことが影響。昨年9月にEC売上高は期初計画の50億円から35億円に下方修正したものの届かなかった。
 
 前期、主力のしまむら事業のECはほぼ計画通りに推移したが、バースデイ事業は計画未達となった。しまむら事業はEC売上高の約6割がEC限定商品となり、インフルエンサー企画やキャラクター商品が好調だった。また、予約販売商品が売り上げの約5割に達し、売り切れによる販売機会ロスを防いでEC物流センターの在庫削減にもつながった。

 一方のバースデイ事業は、昨年9月のEC開始当初は品ぞろえをEC限定商品中心としたが、売り上げが伸び悩んだ。そのため、顧客の要望が多いキャラクター商品やチラシ商品の構成比を高めるなど商品を入れ替えたことで、足もとでは計画を上回って推移しているという。

 EC会員数は109万人となり、構成比は首都圏が40%、大阪や愛知など大都市圏が24%と高く、今後は会員情報から得られるデータをリアルの出店戦略にも活用する仕組みを整える。

 サービス面では昨年9月、ディバロ事業を除く4事業の全店舗でEC注文商品の店舗受け取りを可能にするなど顧客の利便性を高めた結果、EC利用者の店舗受け取り比率は9割を超えた。そのうち、受け取り店舗で別の商品を合わせ買いする顧客は46%に上り、EC事業の主目的であるオンラインと実店舗の相互送客が順調に進んだとする。

 同社のEC事業は自社物流センターからの出荷にこだわるなどして「採算ベースで取り組めている。今後も採算性を重視しながら、着実に伸ばしていきたい」(鈴木誠社長)としている。

 今期は4月中にアベイル事業とシャンブル事業でEC展開をスタートする計画で、4事業に適した品ぞろえの強化とサービスの拡充を図ることで、EC売上高は前年比43%増の40億円、2年後の24年2月期には同25%増の50億円を目指す。

 なお、同社は中期経営計画においてDX化を推進する考えで、今期は事業アプリが稼働し、実店舗とECの会員情報を一元化。顧客情報や購入履歴を分析して販促に活用するほか、アプリ利用ごとにマイルを付与し、ECでの先行予約などのサービスを充実させることで顧客の囲い込みを図る。来期は事業アプリを進化させ、ECでのおすすめアイテムを個別に配信したり、客注の入荷通知機能を稼働する計画だ。
 
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