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アフィリエイト広告規制 相談実態の把握なし、定量データ把握は「困難」

2022年 1月13日 11:30

 消費者庁の伊藤明子長官(=顔写真)は、12月23日の定例会見で、アフィリエイト広告の相談件数の把握について、「アフィリエイト広告自体の捉え方はおそらくしていない。事務方に聞いてほしい」と答えた。規制をめぐっては、委員からEBPM(客観的な根拠に基づく政策立案)の観点から検討を進める意見が上がっている。事務方を務める表示対策課も「(件数は)把握していない」とする。

 把握していない理由について、「そもそも消費者がアフィリエイト広告と分からないため、同広告自体の相談件数という捉え方はしていない」(表示対策課)とする。実態調査の中で事業者へのヒアリングを通じて問題の把握に努めた。「定量的、客観的に示すことは難しいが、定性的には(問題があると)言える」(同)とする。

 また、実態調査では、国民生活センターが集計する「PIO―NET」に寄せられた定期購入の相談件数約5万件であり、半数を上位10社が占めることを例に、アフィリエイト広告の悪質な広告主は「ごく一部」とする。

 定期購入トラブルの件数を例示したことについて、伊藤長官は「規制の根拠として示しているものではない。一部の悪質事業者が問題を引き起こしている面もあるのではないかという指摘があり、その数字(注・定期購入トラブルの件数)もそういうことを示している部分があるなということ」とコメント。「一方で(残る)半数は10社以外ということになるため、一般的なものも併せて考える必要がある」とする。

 ただ、定期購入トラブルの件数の例示に、業界関係者からは、「定期購入トラブルのケースを例に、アフィリエイト広告の実態も同様と捉えることは乱暴。妥当性に疑問が残る」、「上位10社が問題ならば、そこを摘発すれば問題が収まるのに一般論化して論理を捻じ曲げ規制しようとしている」、「あたかもアフィリエイト広告に問題があるかのように5万件という数字が独り歩きする」、「規制するのではあれば事例の積み上げではなく、明確な根拠を示してほしい」との声が上がる。

 表示対策課は、「一部の事業者が繰り返し悪質行為を行っていることを説明したいために引用した」と説明。検討会は、実態調査をもとに、悪質広告主への厳正な法執行、広告主全体の表示管理義務強化の両輪で検討を進めているとする。

 
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