「利益体質を根付かせる」【タンタンコーポレーション 中山信夫代表取締役社長 丹澤直人代表取締役次長に聞く】 安売り以外でユーザーに還元
2020年10月 1日 07:30
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――2020年2月期の売上高は、前期比16%減の38億6500万円だった。
中山信夫社長「昨秋の長雨と10月の消費税増税、そして暖冬という3要因が大きく響いた。当社はエアコンを中心とした季節家電が強いため、天候の影響を受けやすい。価格を下げれば売れるという状況でもなく、かなり売り上げを落としてしまった」
――利益面は。
中山「売り上げは確保できていても、一つひとつの注文を見ると、きちんと利益が取れていないケースが多い。これまでは月次ベースで売り上げと粗利をみていたが、仮想モールに出店する1店1店が日々利益を確保できているのか、今後はきちんとチェックしていく。配送費に関しても、粗利に見合った金額で送れているのかなど、細かいところをみている。固定費に関しては人件費は削れないが、余分と思われる部分は削ったので、販管費も少なくはなっている。かなり良い回転が始まったのではないか」
――コロナ禍の影響は。
中山「2~3月は商品がなかなか入ってこなかったこともあり、伸び悩んだ。4月後半からは”巣ごもり需要”もあり、今までが嘘のように売れ出し、5~6月も好調だった。高いエアコンが売れる傾向にあり、利益率も非常によかった。テレワークをする人が多く、エアコンの工事依頼も非常に多かった。ただ、7月に入ってからは長梅雨の影響を受けた」
――仮想モール店舗の状況は。
中山「ここ数年、楽天市場店に勢いがある。会社としては自社サイトで売れるのが一番いいのだが、価格比較サイト『価格.com』経由のユーザーが大多数だ。ただ、最近の価格.comは仮想モールの店舗も多数価格を掲載しているので、そちらにユーザーが流れているのではないか。ヤフー店は最近あまり調子が良くない。アマゾン店は売れてはいるが、手数料が高い」
――今後の課題を教えてほしい。
中山「日々の売り上げに付随する利益を店舗ごとに明確化していき、『この商品を売ったらいくら儲かるのか』というところまで落とし込み、利益が出る体質にしていく。また、そういったことを各社員が把握できるようにする」
丹澤直人代表取締役次長「利益がきちんと出れば、ユーザーに還元できる幅も広がる。安売りだけではない還元もしていきたい。具体的には自社サイトの刷新だ。この20年間できていないので、もう少し使いやすいサイトにしていきたい。また、ネット広告の出稿も考えている」
中山「現在、自社サイトではクレジットカードでの決済は対応しておらず、価格を上げた別サイトで使えるようにしている。利益が出る体質になれば、自社サイトでもカードを使えるようにしたい」