TSUHAN SHIMBUN ONLINE

インターネット・ビジネス・フロンティア株式会社
記事カテゴリ一覧

千趣会09年12月期連結 売上高6.9%減の1472億円、消費低迷で通販苦戦

2010年 2月 4日 17:30

 千趣会の2009年12月期連結業績は、売上高が前期比6.9%減の1,472億9,200万円、24億500万円の営業損失(前の期は24億1,300万円の利益)と減収減益だった。消費の低迷で主力の通販事業が苦戦したほか、利益面では棚卸資産の評価方法見直しに伴う商品評価損の増加などが影響。経常損失が14億1,000万円(同45億5,300万円の損失)、当期純損失が38億1,100万円(同62億7,100万円の損失と、2期連続で最終赤字を計上する結果となった。

 事業部門別の売上高では、カタログ事業と頒布会事業を合わせた通販事業が同9.4%減の1,309億6,700万円、営業損失22億8,500万円(前の期は28億6,600万円の利益)。その他の事業は売上高が同19.2%増の163億2,500万円、営業損失1億9,000万円(同4億3,900万円の損失)だった。

 通販事業のうちカタログ事業の売上高は前期比9.3%減の1,196億1,000万円。顧客一人当たりの年間注文回数は前期並みの2.9回を維持したものの、低価格志向の強まりやネットへのシフトの進展に伴い、受注単価が1万2,267円と686円下落。新規顧客の獲得が思うように進まず年間購入者数が減少したことも響いた。商品群別では、単価が比較的高いインテリアが前期比15.4%減と最も落ち込みが大きく、特に家具や収納用品などが低迷。一方、ネット売上高は、671億3,000万円と前期比1.2%の増加で売上構成比を56.1%とした。

 一方、連結ベースの損益面では、会計基準の見直し等に伴い棚卸商品の評価損が約23億円増加したことなどから、売上高原価率が53.6%と1.9ポイント上昇。販管費について全体で約32億円を削減したものの、営業損失を計上する形となった。また、減損損失や投資有価証券売却損など特別損失17億2,600万円(前期比8.8%増)を計上したことなども響いた。

 今期も消費環境が厳しい状況が続くと見ており、通期の連結業績は売上高が前期比3.4%減の1,423億円と減収を予想。半面、利益面では損益分岐点の引き下げを進める意向で、営業利益21億円、経常利益20億5,000万円、当期純利益16億5,000万円と黒字転換を見込む。
楽天 通販のよみもの 業界団体の会報誌「ジャドマニューズ」 通販売上高ランキングのデータ販売