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ジョン・トーマス会長兼CEOに聞く、QVCジャパンの現状と今後、今期年商1000億円へ

2012年 6月 7日 10:22

第1四半期は19%増で推移、ネット強化も推進

震災発生により一定期間の放送休止を余儀なくされた中にあっても前期(2011年12月)の売上高は前年比1・1%増の約894億円と増収を維持したテレビ通販大手のQVCジャパン。昨年後半からビジネスは完全回復を遂げ、今年に入ってからも好調を維持し続けているようだ。今期中に当面の目標としてきた年商1000億円の大台突破に自信を見せている同社のジョン・トーマス会長兼CEOに現状のビジネスの状況と今後の戦略について聞いた。
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まず2011年のビジネスの総括について伺いたい。

 「2011年というのはどの企業にとってもかなりきびしい年だったと思う。3月11日の震災によって我々も12日間、放送中止を余儀なくされたわけだ。ただ、その後、我々のビジネスモデルが非常に柔軟性のあるものだということもあり、すぐに放送を再開できた。放送再開後はもう一度、お客様がどういった商品や番組を見たいのかということをよく検討して本当にお客様が求めている商品を展開することにした。

 その結果、2011年の第4四半期(10~12月)には各月で過去最高売り上げを更新し、記録的な売り上げを作れるところまで回復した。これは当社の非常にプロ意識の高い社員、チームの素晴らしさを証明するものだと思う」

 今期に入ってからの状況はどうか。

 「2012年に入っても好調で1、2、3月と毎月、売り上げで記録を作ることができ、第1四半期の売上高は前年同期比19%アップとなった。また、4月、5月に非常に順調に推移している」

 前CEOのホロビン氏は以前、年商ベースで1000億円が当面の目標としていた。今期はその目標に届きそうか。

 「今期はその数字(年商1000億円)よりも高い数字を目標としているが今のところ、その目標値よりも高い数字で推移している。いけるだろうと思っているし、そう願っている(笑)」

 今期以降の戦略について伺いたい。1つにインターネットの強化があると思うが方向性は。

 「現在、我々のイーコマースの売上高は全体の売上高の30%を占めており、まだまだ伸びるところだと思う。インターネットを使って我々がやるべきことは『これらをどう使ってテレビで実践していることと同じ"ファンショッピング(楽しい買い物体験)"を実現させていけるか』というところにあると思う。

 その方向性としては、親会社である米QVCの事例が1つの参考になるだろうと思っている。米QVCのイーコマースの売上シェアはすでに45%まで達しており、インターネット分野においてはQVCジャパンより3、4年は先を走っていると思う。

 米QVCはテレビのコンテンツをネット上のSNSやコミュニティなどと非常にうまく融合させているという点が優れていると思う。私は先週まで出張でその米QVCに行っており、そこで一番人気のあるショー(番組)を見ていた。それは著名人が行うクッキングショーだったのだが、そのテレビのライブショーと『フェイスブック』をうまく融合させて番組を作っていた。そのショーに出演する著名人のフェイスブックにはおよそ25万人のファンがいるのだが、ライブショーを放送している最中にたくさんの方が彼のフェイスブックに来てコメントをして、その内容をまたライブショーでも取り入れていくという画期的な試みを行っていた。

 例えばだが、こうした事例から我々が学べることもたくさんあると思う。我々も現在、ソーシャルネットワークやコミュニティの分野で何をやるべきか色々と案をまとめているところだ。一番、大切な核となる部分はお客様との関係作りだ。さらに多くのお客様と強いリレーションシップを築いていきたいと思う」

 日本の通販市場をどう見るか。

 「非常に強いマーケットであり、これまでも非常に成長してきたマーケットだ。我々もこの強いマーケットのおかげで成功することができたし、今後も成長し続けていけると思う。インターネットの出現でさらにチャンスが広がっていくと思う。当社もスマートフォンやタブレットなどの新しいツールを活用してさらにビジネスを強く展開していけると思っている。当社のメーン顧客層は40代から60代半ばの女性だ。日本には当該層が約2200万人いるが、当社のカスタマーのデータベース(DB)はそのうちの5%(※稼動客ベースで実際のDB数ではない)にしか達しておらず、まだまだ伸びる余地は大きいと思う。我々は今を非常にワクワクする時期と捉えている。これからますます新しいテクノロジーが開発されていくと思うが、これによって我々はお客様とのタッチポイントを増やしていけると思っており、コアターゲットである全国2200万人のお客様に私たちの商品やサービスを色々と体験して頂きたいと思っている」


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