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Zoom in プライム、大ヒット商品の新モデル、起死回生の一手となるか?

2009年10月 8日 18:10

1240_paper.jpg プライムが8年前に発売し、テレビ通販で大ヒットとなったEMS運動器具「アブトロニック」の次期モデルの販売を開始する。101日から通販サイトで先行予約を開始後、同下旬から主力のテレビ通販でも始める。その後は量販店や大手カタログ通販事業者への卸も同時に展開する計画だ。

 「アブトロニック」はプライムが01年に販売。商品の新規性と「10分間で600回の腹筋運動と同じ効果」など分かりやすいインフォマーシャルが受け、「社会現象」になるほどの大ヒット。通販と卸で累計出荷台数、130万台を突破したモンスター商品だ。この結果、同社の02年度の年商を253億円と過去最高売上高に押し上げた。

 現在、プライムの年商はおよそ70億円と当時の3分の1以下の数字。また、債務超過状態など苦境に立たされている。「過去のモンスター商品」の投入は同社に再び福音をもたらすのか。注目される。

 プライムが10月から発売するのは「アブトロニック・エックスツー」(=写真、税込価格・9,800円)。本体や付属品のほか、腕足用ミニベルトやジェルシートを余分につけた「パフェクトセット」は12,800円となる。

 01年に販売した「アブトロニック」から機能やデザインを一新させた次期モデルで1分間に約400回の筋収縮運動が可能。腹部だけでなく、鍛えにくい背部の筋肉運動も同時できる。さらに8種類の運動と10段階の強度調節ができ、合計80種類の運動ができるという。

 また、当時は使用時に専用ジェルが必要だったが、新商品では粘着ジェルシートを採用。これにより、使用前の準備や使用後の手入れをすることなく、簡単に使用できるという。なお、デザイン面ではメインカラーを従来の「青」から、燃焼系の「赤」に変更した。

 101日から同社の通販サイト上で予約販売を開始。10月下旬から地上波、BS、CS放送でテレビ通販を開始する予定。また、同時に量販店や家電専門店、カタログ通販企業への卸販売も開始する計画だ。

 同社は01年に「アブトロニック」を発売後、大ヒットを記録。20026月期のプライムの決算は売上高253億円(前年比80%増)、営業利益36億円(同152%増)と過去最高の業績となり、当時はテレビ通販企業の売り上げトップに躍り出たという「栄光の実績」がある。しかし、その後は業績が低迷。直近の決算である096月期は売上高が691,100万円。営業損益は178,500万円の赤字。さらに債務超過状態と苦境に立たされている。

 「あんなヒット商材はこの先2度と出ない」。斬新な商品のコンセプトと新規性で当時は世間を席巻するほどの話題を集め、当時、複数のテレビ通販関係者にこう言わしめた「アブトロニック」。とは言え、現在ではEMS運動器具はもはや一般的な商品で様々なタイプの商品が販売されている。プライムはモンスター商品の後継機で起死回生を狙うようだが、それには当時よりもパワーアップさせた映像訴求力が必要となるだろう。思惑通りに事は運ぶのか。老舗テレビ通販企業の底力が試されそうだ。

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