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松屋の新通販サイトが本格始動 4年後に売上200億円が目標へ

2024年12月 5日 12:00

 百貨店の松屋は11月27日、新設子会社のMATSUYA GINZA.com(マツヤギンザ ドットコム)を通じ、松屋銀座の買い物体験ができる新しい通販サイト「matsuyaginza.com」を本格始動した。新サイトは店舗受け取りなどができるオムニチャネルプラットフォームとして運営。既存顧客の利便性向上と、訪日外国人を含めた新規顧客獲得を図るとともに、店頭では取り扱いのないブランドラインアップも充実させることで顧客満足度を高め、初年度は売上高50億円、4年後に200億円を目標とする。

 新サイト「マツヤギンザドットコム」(画像)は、松屋銀座にショップを構えるブランドから、同店では扱いのないブランドまで、ラグジュアリーな商品ラインアップで展開する。

 ローンチ時の取り扱いブランドは「プラダ」や「ミュウミュウ」「セルジオロッシ」「イソップ」「トムフォード ビューティ」など46ブランド、約1500アイテムで、ブランドのカテゴリー内訳はファッションが7、ビューティーが38、酒類が1となる。1年後には150ブランド、5000アイテムの取り扱いを見込む。

 サービス面では商品のピックアップカウンターと専用サロンを松屋銀座の4階に開設。注文確定後、1~5日で店頭受け取りが可能で、国内の顧客は自宅への通常配送と店頭受け取りを選択できる。

 訪日外国人はピックアップカウンターでの商品受け取り時に免税手続きまで行えるため、免税カウンターに並ぶ時間や手間を短縮できるメリットがある。

 松屋は銀座店と浅草店で百貨店事業を運営しているが、都内の2店舗体制のため商圏が限られていることや、DX化の遅れで独自性のあるEC展開やオムニチャネルサービスを展開できていないことなどが課題だった。

 そこで、今年1月19日に新会社のマツヤギンザ ドットコムを設立するとともに、会員制通販サイト「ミレポルテ」を運営するB4FのEC事業を譲受し、デジタル人材を質と量の両面で強化し、オムニチャネルサービスを提供できる新サイトの立ち上げ準備を進めていた。

 松屋では、食料品やギフト商材などは既存の通販サイト「松屋オンラインストア」で取り扱い、ラグジュアリーブランドなどは「マツヤギンザドットコム」で展開。国内については地方客および若年層を含む新規開拓を目指す。一方の海外は増加する訪日外国人のID化を推進してリピーターの獲得につなげる狙い。

 また、顧客とのタッチポイントを拡大することで、店頭や免税カウンターの混雑緩和を図り、店頭は接客時間の確保につなげたい考えのようだ。

 今後は取り扱うブランド、商品の一層の充実を図るとともに、最先端の技術でユーザー個々のニーズに合った情報やアドバイス、サポートを提供し、百貨店水準のサービスを反映させたデジタルプラットフォームとして育成する。
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