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ヤマト運輸、完全再エネ電力使用の営業所を稼働

2024年10月24日 12:00

 ヤマト運輸が再生可能エネルギーのみを使った営業所を稼働させた。神奈川・川崎市内に構える高津千年(ちとせ)営業所で従来から実施する同営業所の建屋の屋根に設置する太陽光発電パネルによる発電(全体使用電力の26%相当)とあわせて10月16日から、川崎市らが出資する市内の廃棄物処理施設で家庭ごみなどの焼却時に生み出す電力を公共施設などに供給する川﨑未来エナジーから民間事業者として初めて再エネ電力(同74%相当)を購入。これにより、建屋使用分に加え、同営業所で使用する宅配車はすべて電気自動車(EV)としているが、全車両の充電分のすべてを再エネ電力で賄うことになった。

 なお、ヤマト運輸が独自開発した使用電力を効果的に抑制できるエネルギーマネジメントシステムを同営業所に導入したことに加え、川﨑未来エナジーでは夜間電力料金を安価に設定していることから、夜間にEVを一斉充電する同営業所では川﨑未来エナジーからの再エネ電力の供給を得る前後で電気料金は大幅に下がったという。

 ヤマト運輸では環境に配慮した営業所作りを進めており、全車両をEV化した営業所や再エネ電力証書を購入して再エネ電力使用率を高めた営業所はあるが、車両の充電分と建屋使用分の電力を完全に再エネ化した営業所は初めて。また、川崎市で生み出した再エネ電力を100%使用する「再エネ電力の地産地消型」の営業所も初めてになるという。

 今後、同様の形で「川崎市内には30の営業所があるが、まずは近く2つの営業所で完全再エネ化を目指す」(ヤマト運輸川﨑主管支店長・鈴木浩治氏)という。ヤマト運輸では2030年までに温室効果ガス自社排出量を20年度比で48%削減、50年までに温室効果ガス自社排出量実質ゼロを掲げており、EV導入推進を含めて環境に配慮した営業所を今後さらに全国に増やしていく考え。
 
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