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スマイルリンク、就労支援につながるECサイト開設 プチギフト需要など開拓

2024年10月 3日 12:00

 小規模保育園を運営するスマイルリンクは7月17日、就労継続支援事業所の福産品(授産製品)を販売する、社会にやさしい通販サイト「haguつむぎふと」をオープンした(画像)。

 同社の野村由希社長は2016年に、静岡県裾野市内の認可外保育園を前のオーナーから急きょ引き継いだ。ただ、認可外の保育園は持続可能性が低く、行政にかけ合って18年から認可保育園となって経営も安定し、三島市と沼津市にも保育園を開園した。

 3園で5人の障害児童を預かったことをきっかけに、就労継続支援事業所などについて情報発信をすることになった。その後、就労継続支援事業所で作ったパンを園の給食に取り入れたり、園児の保護者にハーブティーやジャムを買ってもらったりすることで事業所の支援を始めた。当初は年間約50万円分を仕入れることで事業所を応援していた。
 一方、「就労支援の現場を回る中で、せっかく良い商品なのに知られていないし買える場が少ないので、通販サイトで販売すればもっと多くの企業や個人に認知されると思った」(野村社長)とし、7月17日に通販サイト「haguつむぎふと」を開設した。

 スタート時は菓子や紅茶、手ぬぐい、バッグ、サウナハットといった食品や雑貨を中心に20~30アイテムを扱うが、取り引きのある事業所が増えていることや、事業所によって作っている商品が異なるため、少しずつ品ぞろえを充実させる。

 企業向けには福利厚生の一環としてノベルティとしての利用を、個人向けには30~40代のママ層を主要ターゲットにプチギフト需要などを狙う。

 「もらったら嬉しく、次に誰かに贈りたいと思ってもらえる商品を提案する。支援の気持ちだけでは続かない。本当に欲しいものをたまたま就労継続支援事業所の方々が作っていたというのがベストで、EC販売に合わせて商品パッケージのデザインにもこだわった」(野村社長)とする。

 今後は、インフルエンサーなどを起用してSNSでの発信を強め、福産品の存在も周知したい考え。また、「静岡県内でまだ取り引きのない就労継続支援事業所からも福産品を仕入れたり、ゆくゆくは全国規模で仕入れていければいい」(井上喜充顧問)とする。

 なお、スマイルリンクは7月16日付けで、静岡県から「令和6年度ふじのくに福産品SDGsパートナー認定制度」に認定されている。
 
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