ZOZOは8月29日、子どもの足を簡単に3D計測できる計測用マット「ZOZOMAT for Kids(ゾゾマット フォー キッズ)」を新たに開発した。大人用と同様、希望者には送料を含めて無料で届ける。ゾゾはシューズの売り上げを順調に伸ばしているものの、キッズの開拓は課題だ。「キッズシューズをECで購入する際の不安を減らしたい」と語る新事業創造本部計測サービス企画部ディレクターの藤井裕樹氏にキッズ用ゾゾマット開発背景や強みなどを聞いた。
――現在、「ゾゾマット」に対応しているシューズの型数と計測者数は。
「『ゾゾマット』は6月末時点で7200型以上のシューズに対応している。計測者数は270万人以上で、そのうちの10万件以上が子どもだ」
――「ゾゾタウン」内のシューズ取扱高の推移は。
「シューズカテゴリーの商品取扱高は、2018年度の361億円に対し、23年度は500億円以上に成長している。『ゾゾマット』で計測してシューズを購入するお客様も増えているし、20年3月に『ゾゾシューズ』というモールを立ち上げてシューズの強化に力を注いできたことも大きい」
――「ゾゾマット」は大人向け用に開発されたが、子どもの計測数も一定数あった。
「これまでの『ゾゾマット』は大人向けではあるが、子どもの足も計測しようと思えばできる。ただ、サービスとしては計測時に年齢を登録してもらっていて、16歳以上でないとおすすめサイズは表示されない。子どもの足を計測してもおすすめサイズは見られないが、足長や足幅など足のサイズ自体は3Dで確認できるので、子どもの靴を買うときに足長を基準にして購入しているのだと思う」
――子ども用の靴の売り上げ規模は。
「売り上げは開示していないが、シューズの取り扱いが8万点以上ある中で、子ども用は7500点程度だ。国内の靴市場全体におけるキッズの売り上げ比率に比べ、当社のシューズ全体に占めるキッズの売り上げ比率は小さい」
「ECで靴を買うことにまだ障壁があると感じていて、アンケートやヒアリングなどを実施すると、『履いてみないと分からない』というサイズに対する不安がかなり強いことが分かった。そこを解決するために、『ゾゾマット』をキッズにも対応して不安なく買えるECを目指す」
――キッズ用の開発も進めていた。
「以前から構想していたが、データがないと子どもの足の成長を予測するAIを組み込めないので、スタートするのがこのタイミングになった」
――キッズ用のサービス設計でこだわった点は。
「マットに足をのせてスマホのカメラで360度撮影するという仕組み自体は変わらない。大人用は片足ずつ計測する必要があるが、子どもは動かずにいるのが難しいので両足計測の仕様とし、約1分で計測ができるUXにこだわった」
「計測後のおすすめサイズを表示する部分にもっとも苦労した。というのも、子どもの足は日々成長していくので、今日計測しても実際に靴を買うのが2~3カ月後になったら合わない可能性がある。そのため、2~3カ月後の成長した足のサイズを予測して、おすすめサイズを表示しないといけない。計測したときではなく、商品を見たときの足のサイズに合ったサイズを提案することにこだわった」
――足の成長を予測するためにデータを蓄積する必要があった。
「その通りだ。従来の『ゾゾマット』で計測してくれていた10万件以上の子どもの足の成長速度をAIに学習させたり、新たに子どもの被験者を集めてデータ収集を行ったりして、靴のフィット感を予測できるようにしていて、精度には自信を持っている」
――人によって成長速度はかなり異なる。
「年齢と性別で基準値を分けているし、1回だけの計測だと成長予測はできないが、2回、3回と計測してもらえると、個人の成長速度を加味して予測できる。開発時は一定の時間を待たないと正解が分からないので、データをとって3カ月後にまた来てもらうといった検証作業にも時間をかけた」
――今回のサービスでAIを活用している範囲は。
「『ゾゾマット』自体は大人用もキッズ用も共通で、足に対して対象の靴がフィットするかどうかのベースとなるAIを活用している。そのAIを使いながら、キッズ用では成長を予測するAIを作っていて、それをかけ合わせている」
――おすすめサイズに加えてワンサイズ上も表示する理由は。
「靴の買い方についてヒアリングをした結果、二つのパターンが見えてきた。一つは成長を見越して、あえてワンサイズ大きい靴を買うという人が一定数いた。もう一つはセールなどで将来履くための靴を安いときに買っておくという声もあったので、そうしたニーズを踏まえてワンサイズ上も表示している」
――おすすめサイズの靴が履ける期間も表示している。
「これも成長予測のAIを活用して、おすすめサイズの履ける期間と、一つ上のサイズの履ける期間を表示している。商品詳細ページを閲覧すると、おすすめサイズが出てきて、おすすめサイズの相性度と履ける期間、一つ上のサイズの相性度と履ける期間が同時に表示される仕様だ」
――適切な買い替え時期をお知らせする機能も追加する予定だ。
「機能追加の時期は決まっていないが、早いタイミングで実装したい。『履ける期間』は購入時には見えているが、購入後は覚えていないと思うので、履ける期間の終了時期が近づいてきたら『そろそろ以前の靴がサイズアウトします。新しい靴に買い替えませんか』というような案内をする予定だ」
――キッズ用の開始時はどれくらいの靴が対象となるのか。
「スニーカーやサンダル、スリッポン、レインシューズなどの幅広いカテゴリーから100型以上でスタートしたが、早急に拡充していきたい。今回のキッズ用の開発により、キッズシューズをECで購入する際のサイズ選びの不安を減らし、定期的な購入や親御さんとの合わせ買いなどで購買頻度を高め、シューズの売り上げ拡大に貢献していく」
――現在、「ゾゾマット」に対応しているシューズの型数と計測者数は。
「『ゾゾマット』は6月末時点で7200型以上のシューズに対応している。計測者数は270万人以上で、そのうちの10万件以上が子どもだ」
――「ゾゾタウン」内のシューズ取扱高の推移は。
「シューズカテゴリーの商品取扱高は、2018年度の361億円に対し、23年度は500億円以上に成長している。『ゾゾマット』で計測してシューズを購入するお客様も増えているし、20年3月に『ゾゾシューズ』というモールを立ち上げてシューズの強化に力を注いできたことも大きい」
――「ゾゾマット」は大人向け用に開発されたが、子どもの計測数も一定数あった。
「これまでの『ゾゾマット』は大人向けではあるが、子どもの足も計測しようと思えばできる。ただ、サービスとしては計測時に年齢を登録してもらっていて、16歳以上でないとおすすめサイズは表示されない。子どもの足を計測してもおすすめサイズは見られないが、足長や足幅など足のサイズ自体は3Dで確認できるので、子どもの靴を買うときに足長を基準にして購入しているのだと思う」
――子ども用の靴の売り上げ規模は。
「売り上げは開示していないが、シューズの取り扱いが8万点以上ある中で、子ども用は7500点程度だ。国内の靴市場全体におけるキッズの売り上げ比率に比べ、当社のシューズ全体に占めるキッズの売り上げ比率は小さい」
「ECで靴を買うことにまだ障壁があると感じていて、アンケートやヒアリングなどを実施すると、『履いてみないと分からない』というサイズに対する不安がかなり強いことが分かった。そこを解決するために、『ゾゾマット』をキッズにも対応して不安なく買えるECを目指す」
――キッズ用の開発も進めていた。
「以前から構想していたが、データがないと子どもの足の成長を予測するAIを組み込めないので、スタートするのがこのタイミングになった」
――キッズ用のサービス設計でこだわった点は。
「マットに足をのせてスマホのカメラで360度撮影するという仕組み自体は変わらない。大人用は片足ずつ計測する必要があるが、子どもは動かずにいるのが難しいので両足計測の仕様とし、約1分で計測ができるUXにこだわった」
「計測後のおすすめサイズを表示する部分にもっとも苦労した。というのも、子どもの足は日々成長していくので、今日計測しても実際に靴を買うのが2~3カ月後になったら合わない可能性がある。そのため、2~3カ月後の成長した足のサイズを予測して、おすすめサイズを表示しないといけない。計測したときではなく、商品を見たときの足のサイズに合ったサイズを提案することにこだわった」
――足の成長を予測するためにデータを蓄積する必要があった。
「その通りだ。従来の『ゾゾマット』で計測してくれていた10万件以上の子どもの足の成長速度をAIに学習させたり、新たに子どもの被験者を集めてデータ収集を行ったりして、靴のフィット感を予測できるようにしていて、精度には自信を持っている」
――人によって成長速度はかなり異なる。
「年齢と性別で基準値を分けているし、1回だけの計測だと成長予測はできないが、2回、3回と計測してもらえると、個人の成長速度を加味して予測できる。開発時は一定の時間を待たないと正解が分からないので、データをとって3カ月後にまた来てもらうといった検証作業にも時間をかけた」
――今回のサービスでAIを活用している範囲は。
「『ゾゾマット』自体は大人用もキッズ用も共通で、足に対して対象の靴がフィットするかどうかのベースとなるAIを活用している。そのAIを使いながら、キッズ用では成長を予測するAIを作っていて、それをかけ合わせている」
――おすすめサイズに加えてワンサイズ上も表示する理由は。
「靴の買い方についてヒアリングをした結果、二つのパターンが見えてきた。一つは成長を見越して、あえてワンサイズ大きい靴を買うという人が一定数いた。もう一つはセールなどで将来履くための靴を安いときに買っておくという声もあったので、そうしたニーズを踏まえてワンサイズ上も表示している」
――おすすめサイズの靴が履ける期間も表示している。
「これも成長予測のAIを活用して、おすすめサイズの履ける期間と、一つ上のサイズの履ける期間を表示している。商品詳細ページを閲覧すると、おすすめサイズが出てきて、おすすめサイズの相性度と履ける期間、一つ上のサイズの相性度と履ける期間が同時に表示される仕様だ」
――適切な買い替え時期をお知らせする機能も追加する予定だ。
「機能追加の時期は決まっていないが、早いタイミングで実装したい。『履ける期間』は購入時には見えているが、購入後は覚えていないと思うので、履ける期間の終了時期が近づいてきたら『そろそろ以前の靴がサイズアウトします。新しい靴に買い替えませんか』というような案内をする予定だ」
――キッズ用の開始時はどれくらいの靴が対象となるのか。
「スニーカーやサンダル、スリッポン、レインシューズなどの幅広いカテゴリーから100型以上でスタートしたが、早急に拡充していきたい。今回のキッズ用の開発により、キッズシューズをECで購入する際のサイズ選びの不安を減らし、定期的な購入や親御さんとの合わせ買いなどで購買頻度を高め、シューズの売り上げ拡大に貢献していく」