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ディノスが進める"コーズマーケティング"とは――TSUHAN2010より

2010年11月18日 14:55

7kata.jpg 「コーズマーケティング」と呼ばれる"企業としての販促"と"社会貢献活動"を同時に行う手法が注目され始めている。日本通信販売協会が開催したカンファレンス「TSUHAN2010」でいち早く同手法を活用した活動に力を入れているディノスが「実践!通販でコーズマーケティング~『社会貢献』のハードルは高くない~」と題し公演した。公演内容を一部抜粋して紹介する。(講師はディノスのCSR推進本部・広報部グループリーダーの植木麻衣子氏=写真)

 コーズマーケティングは「社会貢献」と「企業の利益」を共存させる手法と言われており、お客様と企業が地球環境や社会問題の解決などの課題を共有できる方法だと考えております。企業の利益を圧迫しないということは、その活動を継続する上で非常に大切な要素なのではないかなと私どもは考えており、当社もこの手法を取り入れた活動を進めております。

 では当社がこれまで行ってきた「コーズマーケティング」の実例をいくつか紹介します。

 1つ目の事例は「クリスマス×JCV」。昨年の冬に「ダーマ・コレクション プリュス クリスマスカタログ」というはじめての「寄付つきカタログ」を発刊しました。これは認定NPO法人 「世界の子どもにワクチンを 日本委員会(JCV)」とタイアップして、お客様が商品を1点お買い上げ頂くごとに、ポリオワクチン1人分相当の金額を当社からJCVに寄付させて頂くという試みです。実績として計画比の140%となる2万1011人分相当の寄付ができ、当社としても非常に手ごたえを感じる結果になりました。

 思った以上の寄付を集められたポイントですが、まず「ターゲットに合わせたチャリティ内容」で50代女性が気になる「次世代への援助」につながる取り組みにしたこと。2つ目は「購買行動と結果の因果関係の分かりやすさ」で、1つ買えば1人分の寄付という分かりやすさが良かったのだと思います。3つ目は「一般的なカタログが1冊丸ごと、の話題性」です。「寄付つきの商品」はよく目にしますが、ファッションカタログがそのまま1冊すべて寄付カタログというのは例がなく、これに話題性あったのではないかと考えております。

 こうしたポイントを踏まえた上で、さらに告知にも注意を払いました。まず、お客様にはカタログの表2で「お買い物をするあなたが、サンタクロースです。」というタイトルでこの寄付の取り組みを説明しました。さらにカタログ発行時や寄付をしたタイミングでプレスリリースを発信してメディアに伝えました。この結果、日経新聞やNHKなどに取り上げてもらえ、この取り組みを広く知っていただけることになりました。なお、この取り組みは今年のクリスマスカタログでも継続して実施しています。
 事例の2つ目ですが、「『エコクイズ』と『寄付つきクーポン』」です。当社のコミュニティサイトの中でエコクイズを実施しています。これはお客様に5問のクイズにお答え頂いて、全問正解すると、割引クーポンのクーポンコードが表示され、当社の商品が495円割引で購入できる寄付つきクーポン(利用ごとに額面の1%をFoE Japanに寄付)をプレゼントするというものです。08年11月から開始して今年10月末時点で全問正解者は述べ2万5000人を突破し、発行されたクーポンも約50%が利用頂いています。

 この取り組みは社会(団体)は「寄付による活動支援が得られる」「活動の認知が広がる」。お客様は「楽しみながらエコの知識が得られる」「割引でお買い物ができる」。私ども企業にとっては、「クーポン利用による売り上げが見込める」。「企業イメージアップ」という"三方よし"の活動ではないかなと自画自賛させて頂いております。

(中略、このほか「メインカタログ創刊号×ピンクリボン」「母の日フラワー×ピンクリボン」など3つの事例を紹介)

 ディノスがコーズマーケティングを実施する上で留意していることは「お客様と共に」「寄付予算は原則持たない」「身の丈に合った、取り組みを」「社会貢献担当部署は、コーディネーター」「取り組みを『報せる』」「『本気』であること」です。これらに留意しながら、無理なく持続できる活動を進め、今後もコーズマーケティングを実施していこうと考えています。
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