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「紅麹」の健康被害問題 小林製薬の報告漏れ、供給先2社が同等量の製品販売

2024年 8月 1日 12:00

 「紅麹」の健康被害問題に絡み、厚生労働省への小林製薬の報告漏れが再び発覚した。原料供給先のうち、2社が、被害が発生した特定ロットを使い、小林製薬の製品と同等量の紅麹を含む製品を販売していたが報告していなかった。小林製薬は、7月26日に公表。「報告申し上げるべき事項を報告できていなかったこと、大変申し訳ございません」としている。
 
 製造のみ行い、販売していない5社を報告対象から除外していた。富士カプセルが製造し、ノエビアが販売していた「DHA&EPA」、ピィシーシステムが製造しサンクウェルが販売していた「脂減流」に特定ロット使用の可能性があり、小林製薬が自主回収する3製品と同等量(1日あたり100ミリグラム)の紅麹を含んでいた。過去3年間の健康被害情報はない。2社は3月下旬、小林製薬の原料の使用と、自主回収を公表している。

 残る3社は、セイユーコーポレーション、アスナロ化工研究所、日本ヘルス。特定ロット使用の可能性はなく、過去3年間の健康被害もない。いずれも製造や販売中止から現在は市場に流通していない。

 原料の供給先について、小林製薬は自主回収した3製品と「同一原料(特定ロット)による製造」、「1日あたりの摂取目安量が同等量であること」、「過去3年間に医師から健康被害が1件以上報告された製品」を報告対象にした。原料を直接、卸販売していた52社、52社から原料を入手した173社に該当なしと報告していた。

 厚労省の指摘を受けて、事実関係を精査ところ、52社のうち1社、173社のうち4社の製品の報告漏れが発覚した。OEM(受託製造)事業者は、販売先の報告基準にすべきとの考えから報告対象に含める必要がないと判断していた。7月末までに精査した正確な報告をする。

 小林製薬の報告を受けて厚労省が公表した健康被害(7月25日時点)は、死亡の疑いのある事例は292例。製品摂取のない186例を除く99例(このほか7例は摂取実態の確認中)は詳細の調査を行っている。遺族の同意を得られた56例(同意取得の対応中は7件、同意拒否は28件)のうち、医師への情報収集などを経て、調査終了は11例になっている。これとは別に大阪市も調査を行っている。

 6月末時点で腎疾患による死亡例5件のうち、製品摂取がないなど「関連なし」は1例、「関連不明」と「関連がないとも言えない」は各2件あった。
 
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