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ファンケル 安全性の発信強化へ、三島工場の見学ツアーを本格化

2024年 8月 1日 12:00

 ファンケルは、製造・品質管理など、製品の安全性に関する情報発信を積極化する。7月24日から三島工場は、見学ツアーをリニューアル。一般消費者を含め、製造・品質管理の体制を広く公開していく。

 全国に6拠点ある化粧品と健康食品の製造工場は、参加費無料で一般消費者の見学ツアーを受け入れてきた。小学生や地元町内会を中心に1万人の来場を目指してきた。見学者に、製品をプレゼントがあるためツアーは人気。コロナ禍はバーチャル工場見学に切りかえ見学は減ったが、昨年から徐々に再開している。サプリメントの基幹工場である三島工場は、見学ルートをリニューアルし、これから本格化。モノづくりの姿勢を発信していく。

 小林製薬製造の「紅麹」の健康被害問題は、機能性表示食品制度全体に対する消費者の不信感が強まった。製造工場だけでなく、研究所のツアーを通じて発信する。アプリや通販サイト、自社運営の情報サイトである「ファンケルクリップ」でも安全性に関する情報発信を充実させている。KOLやインフルエンサーを招いて、見学ツアーを行ってきており、海外への情報発信も強化する。

 21年4月に稼働を始めた三島工場は、グループ最大の延床面積。工場施設では、約80億円という過度最大の投資を行い整備した。設備の実装は、延床面積の約3割で拡張性がある。キリングループの製品もOEM生産する。

 製品の企画段階の品質管理では、初期段階から生産部門が処方設計に関わり研究部門と連携することで、大量生産のプロセスで生じる可能性があるトラブルの予見性を高め、細かな調整を行い予防に努める。

 生産工程では、自動運転できる打錠機、錠剤選別機、無人運転可能なフォークリストで省人化しつつ、「安心・安全」の担保と効率化を進める。原料の受入れ検査では、入庫から開梱後、エアシャワーを通じて生産エリアに運び入れる。品質管理部門では「FT―IR」という測定機器を使い、製造ロット毎に、原料の安全性を管理する。「FT―IR」は、原料に光を当て、反射率の波形で同等性を数十秒で判断できるもの。外観や割れにくさ、溶けやすさ、微生物など異物混入も目視で確認する。

 意図的な異物混入は、生体認証による製造エリアへの立ち入り制限、製造エリアのカメラ設置による撮影・録画で防ぐ。委託先も定期的な監査を行い、品質を維持する。

 
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