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法人の夢実耕望のほか、現代表取締役の岡田清氏、取引担当者であった現取締役の久保田史氏、前代表取締役の小林金夫氏、前取締役の小林正子氏の4人の責任を追及していた。いずれも原料偽装、取引停止に関する損害賠償責任を負うと認定した。一審は、小林金夫氏に対し、取引停止は「体調を崩して入院中であり、悪意、重過失を認めることはできない」と判決を下していた。
原料偽装は、インシップが指定し、合意した原料と異なる安価な原料を使用。差額を搾取していた。原料メーカーの指摘で発覚。一旦は、夢実耕望が偽装の事実を認め謝罪したものの、顧客への返金、謝罪や補償の協議で態度を一変させ、一方的に取引も停止したという。夢実耕望は、株主でもあるインシップについて、株式併合でその地位をはく奪。原料偽装の損害など債務不存在をめぐる提訴をしたため、インシップが約13億円の損害賠償を求め反訴していた。
一審も取締役4人らの責任を認め、東京地裁は、連帯による1億7900万円の支払いを命じていた。判決を不服として、夢実耕望や取締役4人は控訴していた。
インシップは、刑事罰を含め追及していく方針。昨年11月には、小林正子氏を除く取締役3人を対象に、詐欺罪で刑事告訴している。当初、岩手県二戸署に詐欺罪で告訴したが、22年、検察が不起訴処分にしている。インシップはこれを不服として検察審査会に審査申立てを行い、処分の不当性を訴えている。
原料偽装を訴えているのは、イチョウ葉エキスやコラーゲンを主原料とする健康食品。一審訴訟では、損害額を26億円と算定していた。