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まず行ったのが、巻頭ページの刷新で、従来は売れ筋商品の一部を見開き2ページで紹介していたものを4ページに拡大。また、色柄違いの写真カットなどをただ羅列するのではなく、メイン商品が1枚でも際立つような見せ方に変更。そこに購買意欲をそそる文言や機能の説明文などテキスト部分も充実させることで、一つのストーリー性を持って訴求することができたという。
テキストについては、仮に美容関連の商品であった場合、その分野の専門家や女性の読者層にマッチした著名人などをキュレーターとして起用し、より説得力を持ったメッセージを与えられるように配慮。加えて、価格の表記についても、宣伝効果の高い各社のチラシを研究しながら、視認性が高いフォントや文字サイズを選択するなど細部にまでこだわった。
結果的にその通販企業では日用品のカタログについて刷新前と比べて1・2倍、美容健康関連のカタログについては同1・5倍の売り上げとなるなど、大きな成果があったという。
DMや会報誌などにも応用
同社がカタログで重視するのはまず表紙で、コンセプト、テーマを明確にしつつ、マーケットに関わるニーズ、やどの世代に向けた媒体とするかを表現するという。さらに重要となるのが巻頭ページで、「通販会社は商品を作るがテーマをあまり作らない。読者が見た時に買いたいと思うのは『テーマ』。例えば環境や省エネなど打ち出したい内容をはっきり示していくべき」(浅利忠行代表)とする。
加えて、各ページではそれぞれの商品が売れている理由や特徴などを明示する必要があるが、内容によっては語り手を設けて著名人を起用すると、商品に共感される効果が高くなるとした。
「レスポンスを見ながらテストを重ねることで、少なくとも3割の商品で利益が出せるようになる」(同)と説明。この手法は、通販カタログだけでなく、DMや会報誌、製品カタログなど様々な紙媒体で応用が利くという。「マーケッターになるよりも探偵になる。日ごろからアンテナを張って、顧客に何が響くかを探す作業が大事になる」(同)とした。