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実証実験には、ヤクルト山陽のほか、広島県安芸高田市と三次市が参加する。安芸高田市と三次市にある、ヤクルトセンター・営業所2カ所において、家庭内の不要品持ち込みを受け付けるほか、ヤクルト宅配員「ヤクルトレディ」が自宅への訪問回収を行う。両市在住で、不要品持ち込みが難しい人を対象としたサービスとなる。
回収された不要品はヤクルト山陽側で一時的に保管、スタッフによる検品や梱包を経て、ヤクルト山陽が開設した「メルカリShops」アカウントにおいて、リユース品として販売される。売上金は、資材などの経費を除き、自治体に還元される仕組み。
実証実験は来年3月まで行う。メルカリではこれまで、自治体が回収した粗大ごみや備品などの中から、また使える物品を「メルカリShops」にて販売する取り組みを、35自治体と連携して実施してきた。ただ「人手や不要品を保管する場所が課題となっていた」(メルカリの吉川徳明執行役員)という。
今回はヤクルト山陽と連携することで、不要品の効率的な回収と販売が可能となった。メルカリでは「地域の実情に合わせて、不要品回収のやり方を検討する。今回のように実際に家まで訪問してもらうのは決して簡単なことではないが、取り組みを全国に広げていきたい」(同)とする。また、ヤクルト山陽でも「管内において、不要品回収に対応した拠点を増やしていきたい」(大澤誠社長)という。
今回の取り組みの環境面への効果に関する検証も行う。実施にあたり、東京大学インクルーシブ工学連携研究機関の研究員と連携、リユース品の回収・資源化によって、温室効果ガスの削減にどれだけ貢献したかを算出する。こうした環境を観点とした評価に加えて、実務が円滑に回っているかなどを考慮し、来年3月以降の取り組みを継続するかどうかを検討する。
6月5日に広島市で行われた記者会見では、両市の市長も登壇。石丸伸二安芸高田市長(当時)は、自治体として特に重要視した点を「コストの観点」としながら、「リユース推進という慣れない取り組みを行うのは、財政に限りがある中では難しい。今回メルカリとヤクルト山陽の2社にサポートしてもらうことで、3社がウィンウィンウィンの関係になり、シナジー効果が得られる」と連携のメリットを説明した。