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イーベイジャパンの「Qoo10」、生配信の交流でファン化【Z世代を捉える! マーケティングの勘所㊦】 次は「アルファ世代」に注目

2023年 9月14日 12:00

 前号に引き続き、イーベイジャパンが運営する仮想モールの「Qoo10」において、メインターゲットとするZ世代の取り込み手法などを検証していく。今回は、ライブコマースやリアルイベントを起点とした集客施策などについて見ていく。

 販売手法の中でもZ世代との相性が特に良いとされるのが「Live Shopping」(ライブコマース機能)だ。現在、同モールでは週に2~3回、1時間程度の尺でライブコマースを行っている。配信中には時間帯限定での割引企画などもあることから視聴率は高く、とりわけ大きなヒットが見込まれる商品をトレンド化するためのツールとして活用できているようだ。

 配信に当たっては参画する出店者と数カ月前から打ち合わせを行い、どの商品をどのような見せ方にするかを計画。配信では司会者も立てながら、時には芸能人やモデルなどもゲストにキャスティングして商品の使用感などを伝えている。視聴者と出演者が双方向にやりとりできるインタラクティブ性も魅力となっており、終了直前まで商品に関する質問が寄せられるケースもあるという。「テレビCMはアテンションを集めることに強く、一方でライブ配信は共感や興味、理解を深める効果がある。実際に人が使って見せて、そのテクスチャーや匂いなどを伝えることに向いている」(戦略マーケティング室のモラーノ絢香部長)とした。

 関連して、同モールのブランドアンバサダーとして、19年から女優の川口春奈さんを起用している。若年層への認知度や人気の高さはもちろんだが、自身のSNSを通じて自分の言葉で発信しているアクティブなイメージを持った人物を起用したことも、Z世代の興味をひくポイントとなったようだ。

K―POP起点に認知拡大図る

 なお、同社では昨年4月に同モール内に、ファッションブランドの公式ショップを集めた売り場として「MOVE(ムーブ)」を開設している。韓国ブランドを中心に、同社が審査して厳選した出店者だけが参加できるもので、動画コンテンツサービスを導入し、写真やテキストだけでは伝えきれない商品の魅力や情報を発信。こちらもZ世代を意識しており、従来とは違った見やすさや使いやすさを演出した売り場となっている。

 そのほか、モール外でのリアルの販促活動としては、若年層に人気の高いイベントに参加している。今年の5月に幕張メッセで開催されたK―POPイベントの「KCON JAPAN 2023」にはスポンサーとして参画し、前述の「MOVE」のブースを出展した(画像)。当日はモールの出店企業とともに、商品サンプルなどを来場者に提供するなど、韓国文化に親しみを持つ層への認知拡大を図っていったという。

 そして、今後に向けては、Z世代だけでなくその一つ下のカテゴリーとなる「アルファ世代」(2010年代から~2020年代中盤頃)の取り込みも大きなテーマとなっている。

 まだまだ小中学生の世代でもあることから、本格的なマーケティングはこれからとなるものの、学生向けの文房具や雑貨などの品ぞろえの拡充は視野に入れているという。

 近年は乳液や除毛クリームなど、ビューティーカテゴリーの商材に興味を示して購入している男子学生も少なくないことから、入り口商材として品ぞろえを強化して訴求も高めることで、性別を問わず客層を大きく広げていくことを計画している。(おわり)

 
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