楽天グループでは、昨年10月~今年7月まで、本社で「DIYサミット」を開催した。小売り企業やメーカー、ベンダーなど、ホームセンター(DIY)業界の関連企業や有識者、楽天の3者で、ECを中心としたテーマを議論するというもので、計4回の会合を実施した。
同社マーケットプレイス事業ECコンサルティング部ホームライフ事業課の大原麻奈実シニアマネージャーは「ホーム・インプルーブメント業界全体の共通課題を解決するために、会議体を作るという方針が固まった。会合の議題については、その会議体で引き続き議論を継続していきたい」と話す。
さまざまな課題が出てきた中で、最初に取り組むのは「商品マスターの統一」だ。「メーカーから供給されるデータがバラバラなので統一してきたい。例えば共通のフォーマットにすることによってデータの取り扱いがしやすくなり、DX化が進んでいくはずだ」(大原氏)。ホームセンターはSKUが非常に多いため、JANコードが付与されていない商品もあり、「JANコードに頼りきれていないのが現状」(同)という。
また、第4回の会合では「空き家問題」や「中古住宅市場の開拓」についても話し合われた。大原氏は「日本国民の中で中古住宅を買おうという意識がまだそこまで高くない。それは税制の問題があったり、どこで買ったらいいのか分からなかったりといった問題がある。ただ、空き家は日本の社会問題になっており、DIYはそれを解決する一助になる。DIY市場をもっと拡大するためにも、ロビー活動を展開したい」と話す。また、DIYの体験授業を教育課程に組み込むための運動なども議題にあがったという。
今後楽天では、ホームセンター企業のオンライン・オフラインの垣根を無くすための支援を行う。例えば「クリック&コレクト」を推進するために、「店頭受け取りサービス」の導入を進めていくほか、オンラインでの購買をしやすくするために、チャットツール「R―Messe」やライブコマースサービスでサポートしていくという。
サミットに参加した、大都の山田岳人社長は「楽天市場に出店していない大手ホームセンターも参加し、課題を共有することができたのは大きい。DIY市場は20年前から4兆円なのにプレイヤーは増えている。4兆円を5兆円にするために、顧客の取り合いではなく、マーケットを広げましょうという話ができた」と会合の意義を語る。
「オフラインとオンラインをどうつなぐか」という課題については、「業界全体として圧倒的に体験の場が少ない。『楽天うまいもの大会』のように、ユーザーにDIYを体験してもらうイベントができたら面白い。例えば『廃校になった小学校をリノベーションする』といったものはどうか」と話す。DIY市場を拡大していくための方策については「北米市場のDIY市場は117兆円で日本は4兆円。人口は2倍程度しか差がないので、日本は需要を取り込めていないのが実情。プロの利用を促進することで広げていくべきだ」と提言する。
DIYサミットには電動工具大手のボッシュも参加。同社は「楽天市場」にも出店している。電動工具事業部の髙橋俊輔事業部長は「オンライン・オフラインをシームレスにしてくために、今後のDIY業界で大事になってくるのは、オフラインにおける『体感・体験』を強化することではないか。例えば、楽天がDIY関連の体験イベントを開催し、商品は楽天市場の店舗で買ってもらうという、OMO関連の取り組みを行ったら面白い」と話す。
手はじめに同社では、8月5・6日に開催されたモーターレース「スーパーGT」にブースを出店した。タイヤの付け外しやボンネット磨きのコーナーを設け、同社楽天市場店に誘導するという取り組みを実施。同店でスーパーGT期間中に使える限定クーポンも発行した。「メーカー1社の取り組みではやれることが限られるので、さまざまなメーカーがイベントに出店し、そこで協力・競争するという形が理想。ぜひ楽天に音頭を取ってほしいと提案した」(髙橋事業部長)。
また、楽天市場に未出店の大手ホームセンター担当者は「EC化率を引き上げていくのは大きな課題になっていた。楽天はもちろん、同業他社、当社からすると取引先にあたるメーカーと一緒の土俵で議論できるというのは本当に良い機会だった。『当社がやっているが他社はやっていない』施策、逆に『他社はやっているが当社は注力している』施策について、その理由も含めて意見交換できたというのは、とても勉強になったし、施策の棚卸しの機会にもなった」と評価する。
同社マーケットプレイス事業ECコンサルティング部ホームライフ事業課の大原麻奈実シニアマネージャーは「ホーム・インプルーブメント業界全体の共通課題を解決するために、会議体を作るという方針が固まった。会合の議題については、その会議体で引き続き議論を継続していきたい」と話す。
さまざまな課題が出てきた中で、最初に取り組むのは「商品マスターの統一」だ。「メーカーから供給されるデータがバラバラなので統一してきたい。例えば共通のフォーマットにすることによってデータの取り扱いがしやすくなり、DX化が進んでいくはずだ」(大原氏)。ホームセンターはSKUが非常に多いため、JANコードが付与されていない商品もあり、「JANコードに頼りきれていないのが現状」(同)という。
また、第4回の会合では「空き家問題」や「中古住宅市場の開拓」についても話し合われた。大原氏は「日本国民の中で中古住宅を買おうという意識がまだそこまで高くない。それは税制の問題があったり、どこで買ったらいいのか分からなかったりといった問題がある。ただ、空き家は日本の社会問題になっており、DIYはそれを解決する一助になる。DIY市場をもっと拡大するためにも、ロビー活動を展開したい」と話す。また、DIYの体験授業を教育課程に組み込むための運動なども議題にあがったという。
今後楽天では、ホームセンター企業のオンライン・オフラインの垣根を無くすための支援を行う。例えば「クリック&コレクト」を推進するために、「店頭受け取りサービス」の導入を進めていくほか、オンラインでの購買をしやすくするために、チャットツール「R―Messe」やライブコマースサービスでサポートしていくという。
サミットに参加した、大都の山田岳人社長は「楽天市場に出店していない大手ホームセンターも参加し、課題を共有することができたのは大きい。DIY市場は20年前から4兆円なのにプレイヤーは増えている。4兆円を5兆円にするために、顧客の取り合いではなく、マーケットを広げましょうという話ができた」と会合の意義を語る。
「オフラインとオンラインをどうつなぐか」という課題については、「業界全体として圧倒的に体験の場が少ない。『楽天うまいもの大会』のように、ユーザーにDIYを体験してもらうイベントができたら面白い。例えば『廃校になった小学校をリノベーションする』といったものはどうか」と話す。DIY市場を拡大していくための方策については「北米市場のDIY市場は117兆円で日本は4兆円。人口は2倍程度しか差がないので、日本は需要を取り込めていないのが実情。プロの利用を促進することで広げていくべきだ」と提言する。
DIYサミットには電動工具大手のボッシュも参加。同社は「楽天市場」にも出店している。電動工具事業部の髙橋俊輔事業部長は「オンライン・オフラインをシームレスにしてくために、今後のDIY業界で大事になってくるのは、オフラインにおける『体感・体験』を強化することではないか。例えば、楽天がDIY関連の体験イベントを開催し、商品は楽天市場の店舗で買ってもらうという、OMO関連の取り組みを行ったら面白い」と話す。
手はじめに同社では、8月5・6日に開催されたモーターレース「スーパーGT」にブースを出店した。タイヤの付け外しやボンネット磨きのコーナーを設け、同社楽天市場店に誘導するという取り組みを実施。同店でスーパーGT期間中に使える限定クーポンも発行した。「メーカー1社の取り組みではやれることが限られるので、さまざまなメーカーがイベントに出店し、そこで協力・競争するという形が理想。ぜひ楽天に音頭を取ってほしいと提案した」(髙橋事業部長)。
また、楽天市場に未出店の大手ホームセンター担当者は「EC化率を引き上げていくのは大きな課題になっていた。楽天はもちろん、同業他社、当社からすると取引先にあたるメーカーと一緒の土俵で議論できるというのは本当に良い機会だった。『当社がやっているが他社はやっていない』施策、逆に『他社はやっているが当社は注力している』施策について、その理由も含めて意見交換できたというのは、とても勉強になったし、施策の棚卸しの機会にもなった」と評価する。