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マクアケ フードジャンルを強化、エバラ食品や明治など参画、コロナ禍で需要拡大

2023年 8月24日 12:00

 応援購入サービス「Makuake」を運営するマクアケは、フードジャンルを強化している。

 大手企業がまったく新しい商品を販売する際のテストマーケティングの場として活用しているほか、飲食店が新たな収益源の確保を目指して「マクアケ」で新たなにフードを販売するなど、さまざまなケースのプロジェクトが誕生している。

 「マクアケ」の応援購入の仕組みが在庫を抱えずに物作りを行えることや、一般販売前のファン作りやくちコミの創出につながる点などがプロジェクト実行者から支持されているようだ。

 とくに、コロナ禍では既存の流通がストップしたことから、「マクアケ」を活用したお取り寄せフードのプロジェクトが増加。”食の可能性を広げるプラットフォーム”として活用されており、22年度はコロナ前と比較して、フードジャンルの応援購入の総額は約3・5倍、購入件数では約4倍と急増した。

 現在、当該ジャンルはプロジェクト全体の1~2割を占める。世の中にない、まったく新しい商品・サービスが多い「マクアケ」のプロジェクトの中にあって、「フードは他のジャンルと比べて(完成形が)想像しやすいこともあって満足度が高いジャンルで、根強いファンも多い」(松岡宏治執行役員キュレーター本部)とする。

 オンライン上の売り場が乱立する中、「プロジェクト実行者の思いと一緒に商品・サービスを販売できる売り場は少ない」(同)という。また、プロジェクト開始から数カ月をかけて商品やサービスが完成することが多いため、その間にもプロジェクトの進行状況などでサポーター(応援購入者)とのコミュニケーションが発生するなど、既存の流通、消費行動とは異なるのが「マクアケ」の特徴だ。

 直近のフードジャンルでは、有力企業が相次いで「マクアケ」を活用している。例えば、エバラ食品工業は新ブランド「AWESOMEET(オーサミート)」を立ち上げ、同ブランドの新商品として和牛専用調味料3品を7月18日~9月5日まで「マクアケ」で先行販売している(画像)。同社が「マクアケ」を活用するのは初めて。

 「オーサミート」は”和牛のための焼肉のたれ”がコンセプトで、風味豊かな和牛の脂がたれに溶け込むことでコク深くなり、食べ進めるごとにおいしさが増すという。

 和牛の旨みを生かすために原料に油を使用せず醤油ベースでシンプルに仕上げた「オリジナル」と、柑橘のさわやかな風味が楽しめる「カンキツ」、にんにくのザクザクした食感が食欲をそそる「クリスピーガーリック」の3種類を展開。3本セットの一般販売価格は税込4116円(本体価格3456円+送料660円)で、「マクアケ」では早割価格で提供する。

 エバラ食品では、ふるさと納税の返礼品や、通販サイトなどで銘柄牛を購入し、外食気分で焼肉をするといった楽しみ方が徐々に浸透してきており、和牛を食べる機会が増えると見ている。

 まずは高単価な商品でも購入するユーザーが多く、商品の開発背景などを詳しく紹介できる「マクアケ」での先行販売を決定。同サイトでのプロジェクト終了後は引き続きEC専用商品として一般販売を予定しており、公式オンラインショップとして展開する楽天市場店、ヤフーショッピング店でも販売する。

 そのほかにも、明治はカマンベールチーズのまろやかさの中にブルーチーズの風味が合わさった、白カビと青カビの絶妙なバランスによる贅沢な味わいが特徴のナチュラルチーズ「明治北海道十勝カマンブルー」を7月19日~8月30日まで「マクアケ」で展開している。

 
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