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「ふるさと納税事業が柱に」【ベルヴィの宮崎義則社長に聞く ギフトEC成長戦略㊦】 商品ページに一日の長

2023年 2月 2日 11:00

 前号に続き、ギフト通販「ソムリエ@ギフト」を展開するベルヴィの宮崎義則CEO兼COOに、今後の商品戦略やふるさと納税事業の動向などについて聞いた。

                                                                   ◇

 ――「ソムリエ@ギフト」をブランド化したいと公言している。

 「『ギフトといえばソムリエ@ギフトだよね』と言ってもらうためには、有名ブランドの取り扱いも増やしていきながら『ソムリエ@ギフトでしか買えないもの』『ソムリエ@ギフトにしかないサービス』を実現していくしか、ギフト業界のトップオブトップにはいけないと思う。これは永遠の課題だし、やり続けるしかない。ギフトはアイデアの世界なので、まだまだやれることはあるはずだ」

 「ギフトの世界はパーソナライズ化されていくだろう。それぞれの好みに合わせるのが難しいから最大公約数的な商品が好まれているだけで、本来は1〓1マーケティングが理想。パーソナライズ化に関して、労力をかけないで実現するというのが目指すべきところだろう。個人にピンポイントに刺さる商品の提案も大事だし、『受け手が商品を選べる』という利便性をいかに絡めて展開するか、だろう」

 ――今後の成長戦略について。

 「ギフト業界は閉鎖的で、トップブランドの化粧品やお菓子などはいまだに百貨店でしか販売していない。当社のようなEC企業がさまざまな商品を扱い、さまざまな人に使ってもらうことで、ユーザーの裾野は広がる。ショップ同士が競い合い、ユーザーにプロモーションをすることで、メーカーの売り上げも最大化するはずだ」

 「例えば、化粧品は人によって使うものが違うので、ギフトとして贈るには非常に難しい商材だった。しかしカードタイプなら貰った人が選べるので、かなり幅が広がるのではないか。化粧品だけのカタログが実現したら非常に面白い。今までできなかったことをできるようにすることが会社の成長につながると思っている」


 ――プライベートブランド(PB)の開発に力を入れている。

 「カードタイプを活用し、当社オリジナルのカタログギフトを増やすことで、ソムリエ@ギフトの認知を上げていきたい。同時に、プライベートブランドもどんどん出していきたい」

 「今はまだ30種類程度で商品点数としては少ないが、当社の看板商品である『プレミアムカタログギフト』もPBなので、流通額としては全体の30%程度まで増えている。また、山崎実業のインテリア雑貨シリーズ『タワー』のカタログギフトを昨秋発行したが、数億円規模の流通額になると思う」


 ――物流関連での施策は。

 「雑貨はすべて楽天スーパーロジスティクス(RSL)の倉庫に預けており、他の商品は自社倉庫から出荷している。コロナ禍で雑貨の需要が伸びたため取り扱いを開始したが、SKUが多すぎて自社倉庫で保管するのが難しく、RSLを利用した。また、翌日配達サービス『あす楽』への対応は非常に重要で、売り上げに関わってくる部分だ」

 「当社が扱う雑貨は30~40代女性が購入することが多いので、こうしたユーザーが内祝いやギフトも買ってくれるようになれば、売上高はもっと増えるはずだ」


 ――ふるさと納税の運営代行に力を入れている。

 「2年後には、現在のギフトECに匹敵するほどの事業になるはずだ。本社のある兵庫県市川町のふるさと納税事業を請け負ったのがスタートだが、現在は7自治体の事業に関わっている。ただ、自治体によって関わり方が違うので、全ての自治体で『地域商社』という形で事業を手掛けるようになれば、もっと大きな柱になるだろう」

 ――ふるさと納税に関わる通販事業者が増えている。ベルヴィの強みは。

 「1つはクリエイティブだろう。プロカメラマンを4人抱えていて、スタイリストもいるので、クオリティーの高い写真を撮影することができる。総合的に見て、商品ページの作成には一日の長があると思う。ふるさと納税の場合一番大事なのは商品力だが、それだけではなく、自治体側のプロモーションも重要。当社は動画コンテンツも作成しているので、動画も絡めた上で地域のプロモーションをしている。また、カードタイプのカタログギフトを返礼品に採用できる点も強みだ」

 ――その他の目標は。

 「自社サイトを強化していきたい。楽天市場店の半分くらいは売れるはずだ。自社サイトの場合法人客が多く、特に記念品などは個数が多いので利益が多い。SEO対策にもっと力を入れたい」(おわり)

 
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