食器卸のあづま商店では、楽天グループのショッピングSNS「ROOM」のインフルエンサーとコラボした美濃焼の食器がヒット商品となっている。
同社が運営する「イーストテーブル」の楽天市場店では、美濃焼を中心に食器やキッチン雑貨などを扱う。土岐市の窯元から美濃焼の食器を仕入れて販売している。陶器卸として歴史のある同社だが、バブル崩壊以降は業績が低迷。ただ、15年前にECへ進出して以降は売り上げを回復、楽天市場においては、テーブルウエアジャンルの有名店としての地歩を固めてきた。
インフルエンサーとのコラボに乗り出したのは、楽天のECコンサルタントからの提案を受けてのものだという。「SNSが普及し、インフルエンサーの影響力は高まっている。広告など一般的な販促よりも効果があるのではないかと思った」(東隆之代表取締役)。
同社がコラボしたのは、料理・暮らしの人気ブロガーであるtoiroさん。ROOMにも8年前から投稿しており、影響力は強い。特にレシピサイト「トイロノート」は有名で、東代表取締役もファンだったことがコラボを決めた理由の一つという。
開発した「どんな料理も映えるオーバルボウル」(価格は3300円)は、さまざまな料理に使える楕円型の深皿で、こだわりのカラーも楽しめるというコンセプトの商品。「食卓が明るくなるようなデザイン」と、「どんな料理にも使える便利さ」を両立させたものだ。
ただ、値付けや「実際に焼いてみたら思ったようなカラーにならない」といった問題があったという。「価格は5000円程度ということで話が進んでいたが、日常使いの食器としてはやや高いので消費者が手を出しにくい。利益を削って3300円にした」(東代表取締役)。
また、カラーに関しては「クリーム」「ブラック」「ビオラ」のほか、「白土グレー」「黒土グレー」という特徴的な色を用意。ただ、黒土グレーに関しては「なかなか思ったような色が出ず、結局A・B・Cの3通りを用意した。本来ならtoiroさんに窯元まで来てもらい直接やり取りしたかったが、コロナ禍の影響でかなわず、企画スタートから販売まで2年以上かかってしまった」(野田由美取締役専務)。
コラボ商品は今年3月の「楽天スーパーセール」で発売。雰囲気を重視した商品のため、大量生産はできなかったものの、初日で数百点を販売するなど、大きな反響を読んだ。toiroさんが、ファン向けに「好きなカラー」のアンケートを実施したり、SNS「note」やブログでコラボ食器の進捗状況を公開したりしていたこともあり、toiroさんのファンが多数同店に来訪。購入者のうち、約90%が新規顧客という。「販売までの過程を上手くエンターテインメント化してくれたこともあり、今まで当店を知らなかった人たちに購入してもらえたのは大きい。今後はそういった顧客にtoiroさんとのコラボ商品だけではなく、当社の商品も合わせて買ってもらうための工夫をしていきたい」(東代表取締役)。
コラボ商品に関しては、定番商品として販売を継続していく。また、今後はさらなるコラボ商品の開発も視野に入れている。東代表取締役は「税込み1980円くらいの価格設定ができれば、もっと反響があったと思うので、商品に合った窯元の選定も含めて、次の商品開発に活かしたい。最近は広告と消費者に知らせず、くちコミにみせかける『ステルスマーケティング』が問題となっているが、そういった疑念を持たれるような販促とは正反対で、『インフルエンサーと企業が心を込めて商品を開発した』ことが伝わるので、消費者への訴求効果はとても高い」とコラボの成果を口にする。
同社では東京・恵比寿に実店舗を構えている。東代表取締役は「当店のファンを集めて商品企画会議を開くなど、消費者を巻き込んだ形での商品開発を積極的に行っていきたい」と意欲的に話す。
同社が運営する「イーストテーブル」の楽天市場店では、美濃焼を中心に食器やキッチン雑貨などを扱う。土岐市の窯元から美濃焼の食器を仕入れて販売している。陶器卸として歴史のある同社だが、バブル崩壊以降は業績が低迷。ただ、15年前にECへ進出して以降は売り上げを回復、楽天市場においては、テーブルウエアジャンルの有名店としての地歩を固めてきた。
インフルエンサーとのコラボに乗り出したのは、楽天のECコンサルタントからの提案を受けてのものだという。「SNSが普及し、インフルエンサーの影響力は高まっている。広告など一般的な販促よりも効果があるのではないかと思った」(東隆之代表取締役)。
同社がコラボしたのは、料理・暮らしの人気ブロガーであるtoiroさん。ROOMにも8年前から投稿しており、影響力は強い。特にレシピサイト「トイロノート」は有名で、東代表取締役もファンだったことがコラボを決めた理由の一つという。
開発した「どんな料理も映えるオーバルボウル」(価格は3300円)は、さまざまな料理に使える楕円型の深皿で、こだわりのカラーも楽しめるというコンセプトの商品。「食卓が明るくなるようなデザイン」と、「どんな料理にも使える便利さ」を両立させたものだ。
ただ、値付けや「実際に焼いてみたら思ったようなカラーにならない」といった問題があったという。「価格は5000円程度ということで話が進んでいたが、日常使いの食器としてはやや高いので消費者が手を出しにくい。利益を削って3300円にした」(東代表取締役)。
また、カラーに関しては「クリーム」「ブラック」「ビオラ」のほか、「白土グレー」「黒土グレー」という特徴的な色を用意。ただ、黒土グレーに関しては「なかなか思ったような色が出ず、結局A・B・Cの3通りを用意した。本来ならtoiroさんに窯元まで来てもらい直接やり取りしたかったが、コロナ禍の影響でかなわず、企画スタートから販売まで2年以上かかってしまった」(野田由美取締役専務)。
コラボ商品は今年3月の「楽天スーパーセール」で発売。雰囲気を重視した商品のため、大量生産はできなかったものの、初日で数百点を販売するなど、大きな反響を読んだ。toiroさんが、ファン向けに「好きなカラー」のアンケートを実施したり、SNS「note」やブログでコラボ食器の進捗状況を公開したりしていたこともあり、toiroさんのファンが多数同店に来訪。購入者のうち、約90%が新規顧客という。「販売までの過程を上手くエンターテインメント化してくれたこともあり、今まで当店を知らなかった人たちに購入してもらえたのは大きい。今後はそういった顧客にtoiroさんとのコラボ商品だけではなく、当社の商品も合わせて買ってもらうための工夫をしていきたい」(東代表取締役)。
コラボ商品に関しては、定番商品として販売を継続していく。また、今後はさらなるコラボ商品の開発も視野に入れている。東代表取締役は「税込み1980円くらいの価格設定ができれば、もっと反響があったと思うので、商品に合った窯元の選定も含めて、次の商品開発に活かしたい。最近は広告と消費者に知らせず、くちコミにみせかける『ステルスマーケティング』が問題となっているが、そういった疑念を持たれるような販促とは正反対で、『インフルエンサーと企業が心を込めて商品を開発した』ことが伝わるので、消費者への訴求効果はとても高い」とコラボの成果を口にする。
同社では東京・恵比寿に実店舗を構えている。東代表取締役は「当店のファンを集めて商品企画会議を開くなど、消費者を巻き込んだ形での商品開発を積極的に行っていきたい」と意欲的に話す。