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ユニクエスト 課徴金で取消訴訟提起、課徴金算定で見解の相違

2022年 7月14日 13:30

 葬儀仲介サイト等を運営するユニクエストが景品表示法に基づく課徴金の取消訴訟を起こしていたことが分かった。消費者庁が命じた課徴金額は、1億180万円。ユニクエストは、算定の基礎とした売上額が異なり、5810万円もしくは8165万円としている。課徴金納付命令の取消訴訟が提起されたのは、初めてとみられる。

 同社は、「小さなお葬式」の名称で、全国統一料金で葬儀サービスを提供。ネットや電話で契約し、各地の事業者に葬儀施行を委託する仕組みだった。

 広告では、提供プランについて「追加料金一切不要」などと表示。だが実際は、追加料金が発生するケースがあった。ユニクエストは、同表示とは別のウェブページで例外的に追加料金が発生することを表示していたが、「よくある質問」等のハイパーリンクをクリックしなければ表示されず、消費者庁は打消し表示を無効と判断。18年7月、景表法に基づく措置命令(有利誤認)を下した。課徴金納付命令は昨年7月。これを不服として昨年12月に提訴した。

 訴状によると、同社は、課徴金納付命令の根拠となった措置命令自体の妥当性、課徴金算定の基礎となる売上額の推計手法について不当と主張している。

 措置命令の妥当性は、追加料金が発生するサービスは、各地の葬儀業者との直接契約であり、「自己の供給する商品・役務」にあたらないため、有利誤認に該当しないとしている。

 また、プラン詳細で追加料金が発生する可能性も記載しており、「誤認のおそれはない」としている。課徴金対象期間の取引件数約8万件のうち、追加料金が発生したと認定されたのは、約1万件(約13%)。顧客からクレームもなく、87%の顧客は誤認が生じておらず、残る約1割も追加料金に合意しているため誤認はないとする。

 課徴金額は、追加料金が発生した取引の売上額を基礎として算定された。ただ、管理システムの移行に加え、自社の売り上げとならないため一部記入しておらず、推計の上、消費者庁に報告書を提出。これをもとに算定された。

 同社はその後、旧システムを復旧。復旧後のデータによる算定額は、5810万円(自社で追加サービスを提供し、追加料金が発生した事例を除く)、もしくは8165万円(同含む)としたが、認められなかった。

 消費者庁は、命じた課徴金額について、ユニクエストの報告に基づくものであり妥当と指摘。復旧後のデータに基づく課徴金算定については、提出データに不自然な点がみられることや、入手方法、作成経緯に疑義があるため、信用性を認めなかったとしている。

 有利誤認については、個々の消費者が誘引された事実等は違反認定の要件ではなく、顧客が契約過程で表示と実際が異なることを知るに至り、瑕疵のない意思表示を行っていても不当表示の該当性に影響しないと指摘。「追加料金一切不要」との表示は、実際のサービスとかい離があり、有利誤認の認定は妥当とした。
 
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