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【OASYSグループの関谷CEOに聞く 「WWS」と新規事業の戦略】 ゴルフでもスーツを提案 菓子業界向けのプロモーション事業を始動

2022年 4月 7日 13:00

 オアシスライフスタイルグループは、作業着スーツ発祥の「WWS(ダブリューダブリューエス)」を展開していた子会社のオアシススタイルウェアを2月末に吸収合併したほか、新たに菓子業界向けのプロモーション事業を本格始動した。「ゴルフウェアとオフィスウェアの垣根を壊していく」と語る関谷有三CEO(=顔写真)に、「WWS」の現状や新規事業への思いなどを聞いた。
 







 ――コロナ禍が2年続いている。

 「1年目は世の中全般で服が売れなくなる中、『WWS』は自宅で洗えてすぐ乾くといった機能性や、着用シーンを選ばない利点などが評価されて売り上げを伸ばすことができた。2年目はリモートワークの定着でジャケットが不要になるなど、コロナが長引いたことによるアパレル需要の冷え込みを『WWS』としても感じた。一方でアウトドアやゴルフ、郊外型ファストファッションに対する需要は底堅く、都市部の冷え込みとは対照的だ」

 ――昨年は「WWS」をリブランディングした。

 「ワークスーツという市場に多くのプレイヤーが参入してきて競合は増えたが、『WWS』で提唱したジャンルが市場化されたことは感慨深い。その上で、ワークスーツの一歩先を目指して”ボーダレスウェア”を掲げてリブランディングした。同時に3年間で15店舗という出店目標を打ち出したものの、コロナの長期化は誤算で、出店計画は一度白紙にし、コロナの状況を見守っていくことになった」

 ――組織再編を実施した。

 「コロナ禍でよりダイレクトに迅速に経営判断を行う目的で、2月28日付でオアシスライフスタイルグループが『WWS』を展開していたオアシススタイルウェアを吸収合併し、WWS事業部として運営していく。新たなチャレンジの第1弾が本間ゴルフさんとのゴルフウェアの開発で、今度はゴルフウェアとオフィスウェアの垣根を壊していきたい」

 ――仕事終わりにそのまま打ちっぱなしに行ける。

 「『別にジャケットを着てゴルフする必要ないでしょ?』と思う人が多いが、これは当社が作業着とスーツを一緒にしたときの反応と同じで、手応えを感じている。元々、ゴルフはジャケットを着て行う紳士のスポーツで、それがスポーツウェア化してきたが、昨今は揺り戻しというか少しフォーマルな格好でゴルフを楽しみたいという人も増えてきている。コロナ禍でゴルフ人口は増加しており、ウェアについても新たな選択肢を提供したい」

――今期の状況はどうか。

 「ワークスーツ市場が定着し、さまざまな商品を比較できる状況にある。安い商品に飛びついた消費者が品質やコストパフォーマンスの高い『WWS』を選択してくれると期待している。ゴルフウェアは早期に売上高1億円規模を目指す」

 ――新領域への参入も考えているとか。

 「まだ詳細は話せないが、自社オリジナルでウェア以外のカテゴリーの商品開発を進めていて、これも世間を騒がすような商品になると思う」

 ――”ライフスタイルイノベーションカンパニー”をビジョンに掲げている。

 「その軸は変わっていない。『WWS』以外では、オアシスライフスタイルグループの新しい事業として、お土産お菓子のプロモーション事業を始める」

 ―なぜ、お土産用のお菓子なのか。

 「コロナ禍でお土産産業が大打撃を受けている。観光や出張が激減する中、お土産お菓子の販売は平均して5割減とも言われる。自宅で食べるお菓子を中心に菓子業界全体ではコロナの影響を受けていないが、お土産お菓子だけが局地的なダメージを受けている。店舗で売れないときは通販に力を注ぐのが物販では一般的だが、お土産ゆえに通販を打ち出し過ぎると、お土産そのものの価値がなくなってしまうというジレンマを抱えている」

 ――お土産お菓子を分け合う機会がなくなった。

 「お土産お菓子を自宅で食べる人も少ない。会社や友人などに渡すというお土産用のフォーマットのため、24個入りなど個数が多く、自分用としては買いづらい。また、DX化も遅れているため、当社が得意とする企画やPR、ITのノウハウを使って盛り上げるお手伝いができれば、地域創生にもつながる。当社にとっても、コロナ禍が追い風となる事業として期待していて、半年以上前から準備を進めてきた」

 ――具体的には。

 「第1弾の取り組みとして、『WWS』をユニフォームとして利用して頂いているお客様で、『うなぎパイ』で有名な春華堂さんが展開する和菓子ブランド『五穀屋』nicoe店のバーチャルショップを3月16日に立ち上げた」

 ――お菓子屋のバーチャルショップはあまり見かけない。

 「コロナ禍でVRやバーチャルショップはさまざまな業界で活用されてきているが、お菓子業界で本格的に利用されている事例はまだない。食べ物とVRはあまり相性が良くなかったが、実際に店舗で働く人にたくさん登場して頂き、動画コンテンツを豊富に展開することで、店舗を訪れているような臨場感を出しながら商品を動画で説明できるメリットがある」

 ――バーチャルショップの企画・制作を担うのか。

 「その通りだ。当社にお菓子の知見はなかったので、バーチャルショップの立ち上げに先立ってお土産お菓子に特化したナンバーワンメディアを作ろうと考え、『47(ヨンナナ)おかし』というインスタグラムメディアを開設した。昨年11月にスタートしたばかりだが、フォロワーは2万2000人を超え、ご当地お菓子の紹介メディアとしては日本最大と言えると思う。全国各地の有名なお土産お菓子から、その土地の人に長く支持されているお菓子などを日々紹介している」

 ――具体的な目標数値は。

 「まずは、バーチャルショップの立ち上げに注力し、今期中(2023年2月期)に10~15のお菓子屋さんの本店を再現した本格的なバーチャルショップを開設したい。それらを集めた『47おかし』という仮想モールも立ち上げ、各メーカーのバーチャルショップからそれぞれのECに送客していく。インスタメディア『47おかし』のフォロワーは今年中に10万人を目指していて、発信力を高めることでバーチャルストアにもスムーズに誘導できる」
 
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