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消費者庁 「クレベリン」に措置命令、大幸薬品「極めて遺憾」、法的措置へ

2022年 1月27日 13:00

 消費者庁は1月20日、大幸薬品が販売する「クレベリン」シリーズ4商品に景品表示法に基づく措置命令を下した。大幸薬品はこれを前に、東京地裁に命令の差止めを求める仮処分の申し立てを行っていた。シリーズ6商品のうち「クレベリン置き型」2商品は、除菌・ウイルス除去の合理的根拠が認められたとして「極めて遺憾」(同社)としている。処分を受けて必要な法的措置を行う。

 昨年11月、二酸化塩素による空間除菌を目的とする「クレベリン」シリーズの表示が不当表示にあたるとして、消費者庁が措置命令案を提示。弁明の機会を付与されていた。

 大幸薬品は12月に差止訴訟を提起。今年1月、東京地裁は置き型2商品について根拠の妥当性を認め、措置命令差止めの仮処分を下したという。

 一方で、置き型以外のスティックペンタイプ、スプレー(画像)など4商品の主張は退けられた。同社は同月13日に東京高裁に即時抗告を申し立て、27日を期限に抗告理由書を提出する準備を進めていた。4商品の措置命令は、その間に行われた。「高裁での審理開始前の間隙を突いたもので極めて遺憾」(同社)とする。

 対応を受けて、審査請求、もしくは行政処分取消を求める提訴を行う。消費者庁は、「担当者が不在で今は答えられない」(表示対策課)とする。

 消費者庁は「クレベリン スティック ペンタイプ」など4商品について、景表法の優良誤認と認定した。パッケージやウェブサイトで「空間に浮遊するウイルス・菌を除去」と表示。提出根拠を認めず、商品から発生する二酸化塩素の作用により、身の回りの空間に浮遊するウイルス・菌の除去・除菌効果が得られるかのように表示していたとする。表示は18年9月以降行われていた。

 処分を受けて、同社には消費者から問い合わせや苦情の電話が殺到しているという。「全ての商品が対象と思われており困惑している。一部に応援の声もあるが、回線を増やして対応している」とする。

 消費者庁は14年、二酸化塩素の効果による空間除菌商品17社25商品に景表法の措置命令を下している。大幸薬品の「クレベリン ゲル」など2商品も含まれていた。

 当時、「利用環境により成分の広がりが異なるという表示も加える。日常の生活空間の試験効果が否定されたとは理解していない」(同社)などとコメントしていた。

 今回、表示では「利用環境により成分の広がりは異なる」「すべてを除去できるものではない」との打消し表示を行っていたが、消費者庁は無効と判断した。

 また、当時の処分直後に大幸薬品が全国紙に「二酸化塩素はウイルス・菌を除去する」等の広告を出したことについて、消費者庁は強い懸念を表明。命令違反の罰則等も示唆していた。
 
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