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千趣会 〝つながりにくい〟を解消へ、IBMのクラウド・サービスを導入

2010年 8月26日 18:26

 千趣会は自社通販サイト「ベルメゾンネット」について、8月から日本アイ・ビー・エム(同・東京都中央区、橋本孝之社長)が提供するクラウド・サービス「IBM マネージド・クラウド・コンピューティング・サービス」(IBM MCCS)を活用した商品・サービスの展開を始めた。機能拡張などで柔軟性のあるクラウド・サービスを活用することで、自社通販サイト利用顧客の利便性を向上するとともに、IT関連コストの削減につなげる。

 千趣会は2000年の「ベルメゾンネット」開設以降、会員数を順調に伸ばし、現在では664万人規模に拡大。インターネット経由の売上高も全体の半分以上を占めるまでになっている。

 ただ、女性向けの衣料品や雑貨を主力商材としている関係で、シーズンの変わり目に当る5月や9月のサイトアクセス数が通常月(09年度月平均2・8億PV)のおよそ2倍になるなど季節変動が大きく、キャンペーンの実施でアクセスが集中し、サイトにつながりにくくなる可能性があることから対応策を検討。機能拡張等の自由度が高く、顧客のストレス解消を図れるほか、IT関連コストの効率化が期待できるクラウド・サービスを活用することにした。

 今回導入した「IBM MCCS」は、日本IBMのデータセンターからネットワーク経由でメモリーやCPUなどのIT資源を利用できる従量課金制のサービスで、業務量の増加に応じ基本の機能使用量を最大4倍まで自動的に拡張することができる。アクセス件数の増加が見込まれる月だけ機能の使用量を多く設定することが可能で、アクセス集中時のレスポンス悪化回避のほか、IT関連投資の最適化にもつながるのがメリットだ。

 千趣会では、年内中に「ベルメゾンネット」関連のサーバーや各種社内業務向けサーバー135台を118個の仮想サーバーに集約し「IBM MCCS」で各種サービスを展開。これにより3年間で20%以上のITコスト削減を見込む。今後、新たに構築するシステムについても同クラウド・サービスの活用を基本とし、柔軟性やコストパフォーマンスに優れたサービスを展開していく考え。
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