360度撮影カメラなどの製造・販売を手がけているベクノスは、国内外に向けた通販事業を展開しており、中でも米国や中国向けの海外越境ECの売り上げが拡大している。
同社はリコーで業務用に販売していた360度撮影カメラの開発チームのコアメンバーが独立し、リコーの出資を受ける形で、同商品のBtoCモデルの開発・販売を行うために2019年8月に立ち上げたスタートアップ企業。従来の業務用よりも、軽量で小型となるペンサイズ相当の製品「IQUI(イクイ)」(3万2800円)を開発し、専用の「バッテリーチャージャーケース(BCC―1)」(9800円)と共に、ミレニアル世代の女性をターゲットにして、旅行や会食などイベントで使う用途で販売している。
メーカーではあったものの、顧客からの生の反応を得たり、より柔軟に価格戦略を立案・実施できるために、代理店などは使わず、直接販売できる手法としてECを販路に選択。その上で、日本だけでなく、IT関連の先進的な商材が多い米国や、人口が多く消費力が非常に強いとされる中国を念頭に、海外の方が国内よりも大きく需要が獲得できると考え、設立当初から越境ECを行うことも決めていた。
昨年10月より、米国、英国、独、仏の各国の「アマゾン」の売り場にアカウントを設けて販売を開始。中国に向けては現地法人を設立して、同10月より「JD.com」で、同4月より「Tmall」での販売をそれぞれ開始した。
製造拠点は中国のODM工場で、一度、香港の倉庫に移し、そこから欧米に配送するという仕組みであるため、本社のある日本からの直接発送ではないという物流スキームに課題を感じていた。しかし、香港から欧米向けに配送ができる日本の国際物流事業者と契約したことで課題を解消。欧米現地にあるアマゾンの専用倉庫のFBAに入庫して、そこから消費者に配送している。
言語に関しては、英語や中国語に堪能なスタッフを自前で複数人抱えているため、欧州のアマゾンスタッフとも英語のメールで支障なくやり取りができている。
インフルマーケの効果が着々と
プロモーション方法としては、ウェブ広告やインフルエンサーマーケティングを活用。欧米に向けては、アマゾンのスポンサープロダクト広告と、スポンサーディスプレイ広告に出稿し、中国には100万人のフォローワーがいるインフルエンサーを起用したライブコマースを実施。今年4月末からは米アマゾンにおいて、動画によるライブ広告も開始し、ガジェットに詳しいインフルエンサーを起用して、実際に商品を使用している様子を見せながら機能などを紹介している。
そのほか、日本では「2020年度グッドデザイン賞」の「グッドフォーカス賞」を受賞し、独でも工業製品のデザイン賞である「レッド・ドット・プロダクトデザイン賞2021」と、「iF デザイン賞 2021」を受賞。海外で権威のあるアワードの受賞歴を、販売ページでも積極的に露出することで、商品への信頼感を与えることができ、売り上げにも効果をもたらすとしている。
販促効果は徐々に表れており、今年の1、2、3月については前月比で倍以上のペースで売り上げが伸びている。また、日本以上にコロナ対策が進んでいる海外では、同商品の利用シーンでもある外出に関する自粛が薄まりつつあり、比例してニーズも高まっているようだ。
なお、人的リソースの関係から、自社通販サイトは立ち上げずにモールでの販売を選択した。家電製品に関しては国ごとに安全規格が異なっており、グローバル各国に点在するモールのスタッフを通じて、欧州の安全規格の更新などに関する最新情報を収集。その都度、最新の規格に合わせて申請書類を作成し、販売にこぎつけることができている。
今後について、まずは、欧米中の既存展開国での売り上げを伸ばしていき、その後は欧州での展開国数の拡大を検討。加えて、東南アジアでの現地モールへの出店なども検討していく。
同社はリコーで業務用に販売していた360度撮影カメラの開発チームのコアメンバーが独立し、リコーの出資を受ける形で、同商品のBtoCモデルの開発・販売を行うために2019年8月に立ち上げたスタートアップ企業。従来の業務用よりも、軽量で小型となるペンサイズ相当の製品「IQUI(イクイ)」(3万2800円)を開発し、専用の「バッテリーチャージャーケース(BCC―1)」(9800円)と共に、ミレニアル世代の女性をターゲットにして、旅行や会食などイベントで使う用途で販売している。
メーカーではあったものの、顧客からの生の反応を得たり、より柔軟に価格戦略を立案・実施できるために、代理店などは使わず、直接販売できる手法としてECを販路に選択。その上で、日本だけでなく、IT関連の先進的な商材が多い米国や、人口が多く消費力が非常に強いとされる中国を念頭に、海外の方が国内よりも大きく需要が獲得できると考え、設立当初から越境ECを行うことも決めていた。
昨年10月より、米国、英国、独、仏の各国の「アマゾン」の売り場にアカウントを設けて販売を開始。中国に向けては現地法人を設立して、同10月より「JD.com」で、同4月より「Tmall」での販売をそれぞれ開始した。
製造拠点は中国のODM工場で、一度、香港の倉庫に移し、そこから欧米に配送するという仕組みであるため、本社のある日本からの直接発送ではないという物流スキームに課題を感じていた。しかし、香港から欧米向けに配送ができる日本の国際物流事業者と契約したことで課題を解消。欧米現地にあるアマゾンの専用倉庫のFBAに入庫して、そこから消費者に配送している。
言語に関しては、英語や中国語に堪能なスタッフを自前で複数人抱えているため、欧州のアマゾンスタッフとも英語のメールで支障なくやり取りができている。
インフルマーケの効果が着々と
プロモーション方法としては、ウェブ広告やインフルエンサーマーケティングを活用。欧米に向けては、アマゾンのスポンサープロダクト広告と、スポンサーディスプレイ広告に出稿し、中国には100万人のフォローワーがいるインフルエンサーを起用したライブコマースを実施。今年4月末からは米アマゾンにおいて、動画によるライブ広告も開始し、ガジェットに詳しいインフルエンサーを起用して、実際に商品を使用している様子を見せながら機能などを紹介している。
そのほか、日本では「2020年度グッドデザイン賞」の「グッドフォーカス賞」を受賞し、独でも工業製品のデザイン賞である「レッド・ドット・プロダクトデザイン賞2021」と、「iF デザイン賞 2021」を受賞。海外で権威のあるアワードの受賞歴を、販売ページでも積極的に露出することで、商品への信頼感を与えることができ、売り上げにも効果をもたらすとしている。
販促効果は徐々に表れており、今年の1、2、3月については前月比で倍以上のペースで売り上げが伸びている。また、日本以上にコロナ対策が進んでいる海外では、同商品の利用シーンでもある外出に関する自粛が薄まりつつあり、比例してニーズも高まっているようだ。
なお、人的リソースの関係から、自社通販サイトは立ち上げずにモールでの販売を選択した。家電製品に関しては国ごとに安全規格が異なっており、グローバル各国に点在するモールのスタッフを通じて、欧州の安全規格の更新などに関する最新情報を収集。その都度、最新の規格に合わせて申請書類を作成し、販売にこぎつけることができている。
今後について、まずは、欧米中の既存展開国での売り上げを伸ばしていき、その後は欧州での展開国数の拡大を検討。加えて、東南アジアでの現地モールへの出店なども検討していく。