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EMSは4月15日現在で、48か国・地域での差出しが可能となっている。昨今は新型コロナウイルスの感染拡大による航空路線の減便に伴う輸送コストの高騰が続いており、これを受けて、一時的な特別追加料金を導入する。
対象地域は「第2地帯」で、オセアニア、北中米、中近東、ヨーロッパ。
重量別に見ると、主なところでは1キログラムまでの場合、オセアニア・北米・中米・中近東宛てが、現行の2900円が、800円上乗せの3700円。ヨーロッパ宛てが、同3200円が、500円上乗せの3700円。
5キログラムまでの場合は、オセアニア・北米・中米・中近東宛てが、同8700円が、4000円上乗せの1万2700円、ヨーロッパ宛てが、同9800円が、2500円上乗せの1万2300円となる。
値上げ幅としては、最小で11%から、最大で65・8%。第2地帯全体で見ると平均36%。オセアニア、北中米、中近東では同41%、ヨーロッパだけでは同23%となる。
また、保冷EMSについても値上げしており、フランス宛てで冷蔵大型・中型の保冷EMSを2キログラムまでの場合1000円、それを超える場合は1キログラムまたは端数ごとに500円加算する。
4月15日の記者会見では、これらの値上げについて、便数の減少に伴ってひっ迫する航空便のスペースを確保するための措置で、「今までの料金では賄いきれないため、やむを得ずその分を転嫁する」(同社)と説明。その上で「コロナが収まって正常期に戻れば、また、元の料金に戻す」(同)としているが、具体的な時期については明言できない状況にあり、「当分の間」の措置とアナウンスしている。
なお、コロナ禍を受けて昨年4月から止まっている(航空便での書状・はがきについては10月から再開)米国宛てEMSについても、同日より再開を決定。
中国宛てに次いで取扱量が多かった米国宛てEMS(全体の約17%)に関しては、越境ECや日用品などの荷物の割合が高く、早期の再開を求める声を受けていたという。
コロナ以前は5日~1週間程度のリードタイムとなっていたが、再開後については以前よりも航空輸送量が減少しているため、遅延することを事前にアナウンスしている。
会見では値上げによる越境EC利用者の物流費の負担増を懸念する質問も挙がったが、「(米国宛ては)今まで止まっていたので、値上げはさせていただくが、少し開かせていただいたということで理解をいただければ」(同社)とした。