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前期の通販売上高は、前年比7%減の約90億円。同社の主要顧客層はシニア世代であり、コロナ禍における店頭顧客の通販への誘導に課題を残した。
一方で営業利益は19%増。販促費の抑制に加え、DMの反応が得られない顧客への送付内容の見直し、広告展開の強化による定期顧客の獲得など効率化を図ったことで優良顧客の獲得が進んでいる。営業利益率は、18年の1・4%から、前期には3・1%まで改善している。
再成長には商品戦略の強化が必要とみる。
商品はこれまで、通販、流通で顧客ニーズが異なることから容量や価格、処方、パッケージ等を変えた商品を各部門で企画していた。
一方、16年には、通販、流通で共同展開する血糖値関連のトクホ「サラシア100」を発売。店頭と通販での共同販促による相乗効果で一定の成果が得られている。商品単体の売り上げは、新型コロナの影響を受けた前期は微減だったものの、19年12月期は前年比15%増となるなど好調だった。
今後も流通との共同展開商品のラインアップを充実。部署間の連携を強化することで、店舗連動の取り組みで相乗効果を生み出す。機能性表示食品の開発も強化する。
今期は、第2弾となる共同展開商品として、機能性表示食品「紅麹コレステヘルプ」を発売する(通販は2月、店頭は4月発売)。これにより広告、販促効果の最大化を図る。
小林製薬は「”あったらいいな”をカタチにする」をブランドスローガンに掲げ、ユニークで独創的な商品開発力が強み。共同展開商品だけでなく、通販事業でも成長をけん引する独自商品の開発を目指す。