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オンワード樫山 ECブランドが出足好調、セットアップ企画が支持

2020年 8月20日 07:30

 オンワード樫山は、今年2月に始動した働く女性に向けたEC専用のブランド「uncrave(アンクレイヴ)」が、忙しい女性のセットアップニーズなどをとらえて支持されているようで、デビューシーズンとなる今春夏の売上高は計画を大幅に上回ったという。

 同ブランドは、着回しが利くジャケットやワンピースなど、さまざまなアイテムの組み合わせによるセットアップ企画を充実させ、仕事や育児で時間のない女性がコーディネートに悩まずに着用できる服を提案している。

 企画・デザインを社内で行い、自社協力工場で生産することで、同社が得意な百貨店ブランドの品質のファッションアイテムを納得感の高い価格で提供できるのも強みだ。

 また、在庫リスクを避けるためにフリーサイズで展開するECブランドもある中、「アンクレイヴ」では4サイズの商品も展開。通常のS、M、Lの3サイズのほか、XSまで用意した商品や、スカートやワンピースはサイズ感がSで丈だけ通常より短いPサイズも提供。低身長の人や短めの丈が好みのユーザーにも配慮するなど、アパレルメーカーとして培ってきた高い品質の物作りをECチャネルでも心がける。

 コロナ禍に見舞われるスタートとなったものの、セットアップの打ち出しが奏功。働く女性を意識してジャケットを軸に置きながら同素材のスカートやパンツ、ワンピースなどを展開したり、シャツワンピースなど一枚で決まるアイテムも多く、コーデに迷わない使い勝手の良さが受けて上々の立ち上がりとなった。

 常設の売り場はグループの通販サイト「オンワード・クローゼット」だけだが、ブランドの認知向上や商品を確認できる場所として、伊勢丹新宿店には3月と6月の2回、阪急うめだ本店にも6月にポップアップストアを展開した。

 ポップアップでは店舗限定の商品や、EC完売アイテムの特別再販などを行うことで集客につなげたほか、百貨店では同じフロアのブランドよりも値頃なため、手に取ってもらいやすいという。

 伊勢丹新宿店への出店時には自社ECと在庫連動する形で「三越伊勢丹オンラインストア」でも販売。悩んで購入しなかった伊勢丹の顧客がネットでも購入しやすい環境を整えたほか、オンライン上では販売する商品の幅も広げた。

 オンワードによると、ブランドの公式インスタグラム経由の流入は20代後半~30代後半の女性が中心だが、ポップアップでは出店した百貨店の顧客層でもある40代が多かった。

 また、同ブランドはベーシックなデザインが多く、スタイルやシルエット、ディテールでトレンド感を出すため、幅広い年齢層に受け入れられやすいようで、ECチャネルとポップアップで異なる顧客層を獲得できたことが春夏シーズン成功の要因にもなった。

 コロナの感染状況にもよるが、秋冬シーズンもポップアップストアの出店を計画しており、その際も自社ECと在庫連動できる商業施設とはネットでも販売連携する考え。

 なお、今秋冬商品の中心価格帯はジャケットが1万9000円~2万4000円、ボトムが1万2000円~1万6000円、トップスが1万1000円~1万5000円、コートは3万円台で、8月22日から予約販売を開始する。
 
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