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デジタル市場競争会議 ネット広告の規制検討、表示回数測定・ルール変更の通知も

2020年 6月18日 07:34

 政府の「デジタル市場競争会議」がネット広告の市場環境の公正性確保に向けた規制を検討する。デジタル・プラットフォームなど巨大IT企業に対する規制の一環として進めるもの。第三者による広告の表示回数の測定、アルゴリズム変更に伴う事前通知など、情報開示の仕組みを検討。これにより、広告主が適切に広告出稿できるようにする。

 6月16日に中間報告をまとめた。最終報告は、今冬をめどにまとめる。指針や法制化などの措置は、今後検討する。

 デジタル広告費は昨年、年間約2・1兆円となり、テレビを抜いて、日本の広告費全体の約3割を占めるまでに成長した。ヤフーやグーグルは、広告主とメディアをつなぐプラットフォームとして高いシェアを持つ。

 ただ、閲覧数の水増しや不適切なサイトへの広告掲載など、広告をめぐる「質」の問題に対する懸念がある。価格や取引内容の不透明性、自社優遇などデータ利活用の懸念も浮上している。「デジタル市場競争会議」では、広告の実態把握を通じ、市場の公正性確保に向けた対応策をまとめる。

 透明性の向上では、広告主やメディアが、こうした「質」の実態を把握し、プラットフォームを比較・選択できる方策を検討する。第三者による広告の表示回数の測定、広告枠の落札価格にアクセスできる仕組みなど情報開示を求めることを検討する。

 データ利活用の面でも、広告の属性データの広告主への提供など、広告主が利用するプラットフォームの選択に利用できる情報開示を検討する。プラットフォームによる自社優遇を避けるため、社内でデータの利用条件の透明性確保の仕組みを構築したり、対応状況を開示することを求めることも視野に入れる。

 手続きの公正性確保も図る。現状は、プラットフォームの意向でルール変更が行われ、広告主やメディアに交渉の余地はない。十分な説明も行われていない。検索エンジンのアルゴリズム変更では、メディアの下位表示、最適化に向けた過度な負担を強いられるケースもある。変更時に事前に通知したり、理由の開示を求めることを検討する。検索エンジンの主要パラメータの開示も求める考え。相談窓口の設置も検討する。独占禁止法上の問題となる疑いがある場合は、公正取引委員会に対処を求める。

 消費者のパーソナルデータ取得・利用も、同意が実質的に機能していない懸念がある。取得データの範囲や取得方法を定めるなど、透明性向上を図る。同意を得てもターゲティング広告を制限するケースについて考えを示す可能性もある。

 一方、行政は、独禁法運用で、デジタル関連の専門人材の登用など、執行体制の充実を図る。

 
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