高島屋子会社のセレクトスクエアは、ファッションンECモールとしての価値を高める目的で、コンテンツ面の充実など情報発信力の強化を図る。
昨今、取引先のアパレル企業が実店舗との連携を含めて自社ECの強化に本腰を入れており、モール側はアパレル自社ECにはない価値を消費者に提供できなければ勝ち残ることはできないことから、「ファッションサイトとしての原点に立ち返ることが大事」(木村優社長)としている。
運営する「タカシマヤファッションスクエア」(
画像)は、2年ほど前に「セレクトスクエア」からサイト名やロゴデザイン、機能などを一新し、百貨店のファッション通販サイトとしてリニューアル。高島屋グループとしての認知拡大に加え、タカシマヤカード利用時のポイント付与率を従来の3%から高島屋店頭と同じ8%に引き上げてカード利用者のデメリットを解消するなどした。
その結果、「タカシマヤファッションスクエア」におけるタカシマヤカードの売上高構成比は刷新前の10~12%に対し、現状は20%超に高まるなど、顧客の理解と利用が進んでいるという。
サイト利用者の中心は40代で、既存客の年齢が上がったことと、高島屋の店頭で取り扱っているブランドを増やしたことから、若干顧客年齢が高まっている。実際、百貨店店頭の主要顧客層である50~60代や、その少し下の年代がECも利用しているようだ。
「タカシマヤファッションスクエア」では現状、新規顧客数は伸びていてるものの、既存客は前年並みで推移。新客開拓についてはグループでNTTドコモとの取り組みを推進しており、セレクトスクエアも「d払い」をフックにした新客が大きく伸びている。
加えて、同社は2016年から「ヤフー!ショッピング」に出店しているが、10月30日には「PayPayモール」への出店に切り替わり、立ち上がりの流入者数は前年と比べて60%程度増えたという。同モールの大型販促がどの程度効いているのかは見えにくいが、今後、PayPayユーザーがリアル店舗も含めて貯めたポイントを「タカシマヤファッションスクエア」で消化してもらうことを期待している。
一方、高島屋店頭での取り組みとしては、高島屋全店に入るワコールのショップで商品が欠品している際、セレクトスクエアのプラットフォームを活用して当該商品をタブレット経由で購入してもらい、購入者の自宅に届けるサービスを始めている。同サービスの売り上げは店頭に計上されるため店頭販売員の協力が得やすく、カップ数などSKUが多い下着メーカーなどのデジタル活用として有効という。サービスを利用するには高島屋グループへの会員登録が必要となる。
セレクトスクエアでは、前期(19年2月期)の売上高が前年比7・6%増の23億3800万円、営業利益は600万円となり、高島屋グループに入ってから初めて黒字化した。これまでは、経費を効率的に削ることに重点を置いていたため、売上高を大きく伸ばせなかったが、「今後は”攻め”に転じる」(木村社長)とし、ファッションサイトとしての価値向上につながる投資を計画。コンテンツ面の充実などを図る考えで、足もとではスカーフのさまざまな巻き方を動画で紹介する企画も展開しているほか、今後はライブコマースの配信なども検討しているという。
なお、増税前の9月単月の売上高はサイトリニューアル2周年のキャンペーンを実施したこともあって前年同月比約35%増、10月も同約14%増と今下期の出だしも順調に推移。通期(20年2月期)では売上高24億9700万円、営業利益1800万円を計画。引き続き利益確保を重視するとともに、トップラインも追及していく。
昨今、取引先のアパレル企業が実店舗との連携を含めて自社ECの強化に本腰を入れており、モール側はアパレル自社ECにはない価値を消費者に提供できなければ勝ち残ることはできないことから、「ファッションサイトとしての原点に立ち返ることが大事」(木村優社長)としている。
運営する「タカシマヤファッションスクエア」(画像)は、2年ほど前に「セレクトスクエア」からサイト名やロゴデザイン、機能などを一新し、百貨店のファッション通販サイトとしてリニューアル。高島屋グループとしての認知拡大に加え、タカシマヤカード利用時のポイント付与率を従来の3%から高島屋店頭と同じ8%に引き上げてカード利用者のデメリットを解消するなどした。
その結果、「タカシマヤファッションスクエア」におけるタカシマヤカードの売上高構成比は刷新前の10~12%に対し、現状は20%超に高まるなど、顧客の理解と利用が進んでいるという。
サイト利用者の中心は40代で、既存客の年齢が上がったことと、高島屋の店頭で取り扱っているブランドを増やしたことから、若干顧客年齢が高まっている。実際、百貨店店頭の主要顧客層である50~60代や、その少し下の年代がECも利用しているようだ。
「タカシマヤファッションスクエア」では現状、新規顧客数は伸びていてるものの、既存客は前年並みで推移。新客開拓についてはグループでNTTドコモとの取り組みを推進しており、セレクトスクエアも「d払い」をフックにした新客が大きく伸びている。
加えて、同社は2016年から「ヤフー!ショッピング」に出店しているが、10月30日には「PayPayモール」への出店に切り替わり、立ち上がりの流入者数は前年と比べて60%程度増えたという。同モールの大型販促がどの程度効いているのかは見えにくいが、今後、PayPayユーザーがリアル店舗も含めて貯めたポイントを「タカシマヤファッションスクエア」で消化してもらうことを期待している。
一方、高島屋店頭での取り組みとしては、高島屋全店に入るワコールのショップで商品が欠品している際、セレクトスクエアのプラットフォームを活用して当該商品をタブレット経由で購入してもらい、購入者の自宅に届けるサービスを始めている。同サービスの売り上げは店頭に計上されるため店頭販売員の協力が得やすく、カップ数などSKUが多い下着メーカーなどのデジタル活用として有効という。サービスを利用するには高島屋グループへの会員登録が必要となる。
セレクトスクエアでは、前期(19年2月期)の売上高が前年比7・6%増の23億3800万円、営業利益は600万円となり、高島屋グループに入ってから初めて黒字化した。これまでは、経費を効率的に削ることに重点を置いていたため、売上高を大きく伸ばせなかったが、「今後は”攻め”に転じる」(木村社長)とし、ファッションサイトとしての価値向上につながる投資を計画。コンテンツ面の充実などを図る考えで、足もとではスカーフのさまざまな巻き方を動画で紹介する企画も展開しているほか、今後はライブコマースの配信なども検討しているという。
なお、増税前の9月単月の売上高はサイトリニューアル2周年のキャンペーンを実施したこともあって前年同月比約35%増、10月も同約14%増と今下期の出だしも順調に推移。通期(20年2月期)では売上高24億9700万円、営業利益1800万円を計画。引き続き利益確保を重視するとともに、トップラインも追及していく。