ジュンとマッシュホールディングス、デイトナ・インターナショナルという有力アパレル3社が出資するスタイルヴォイスは11月11日、記事配信が特徴のメディア型ECサイト「スタイルヴォイスドットコム」を開設した。主婦の友社や幻冬舎で女性ファッション誌の編集長を歴任し、最近は雑誌手法を生かした通販サイト内のコンテンツ事業を手がけてきた片山裕美社長(
写真)に新サイトの強みや差別化策などを聞いた。
――服をネットで買う人が増えている。
「長く紙のファッション誌にたずさわってきたが、ファッションECでは楽天さんなどと組んで低価格帯のアイテムやコスパの高い商品を発信し、気軽にファッションを楽しむ提案をしてきた。一方、多少高くてもデザインなどが自分のライフスタイルにフィットし、それを着るだけで気分が上がるアイテムとの出会いもある。とくに女性は身につけるものによって1日の気分が決まるところはあるが、仕事や子育てなどに忙しく、服はネットで買ってすますという現状も理解している」
――「スタイルヴォイス」の方向性は。
「私自身もアパレル数社の自社ECを頻繁に利用している。新しい服に出会うワクワク感や選ぶ楽しさはあるが、ECでは販売員とのコミュニケーションがとれなかったり、商品を身につけた自分を想像しづらかったりする。ECでも”明日の自分”をイメージできるサイトを作りたい」
――雑誌はそういう役割を担っていた。
「その通りで、昔は雑誌で服のコーディネートを見せたり、その服を着ているシーンを見せることで、なりたい自分をイメージできる要素がたくさんあった。最近はそれがインスタグラムの中だったり、ショップ店員がイメージソースだったりするが、そうした要素を手軽に体感できる場所をスマホの中に作りたい」
――楽天などとの協業で得たことは。
「コンテンツの中身はもちろんだが、とくに大事だと思ったことはふたつ。ひとつは当たり前だが商品購入のユーザビリティーで、これは検証して修正を続ける以外になく、直感的に買い物ができるサイトにしていく。システムだけが優先されてもダメで、雑誌でユーザーと接してきた経験から、こういう操作をするとユーザーの気持ちはこう動くということが肌感として分かる。そうした部分をシステム担当に伝えて実際の画面に落とし込む難しさはある」
――もうひとつは。
「雑誌は昔、読者が集まってコミュニティーを作っていた。新サイトも買い物だけでなく、情報収集やトレンドのチェックができたり、リアルの場で講座などを開いてユーザー同士の情報交換ができるようにし、昔の雑誌と読者の関係性に近づきたい。そういうことをウェブユーザーも求めている気がしている」
――ファッションを軸にしたECモールは多いがどう差別化するのか。
「新サイトの柱になるのがキュレーターの存在で、開始時にはスタイリストやモデルなど影響力のある11人が参加している。新サイトはECでありながらメディアの側面が強く、各キュレーターが今の時代が必要としている記事コンテンツを発信し続ける。社名やサイト名の『ヴォイス』にも表れているが、いろいろな人の声が集まり、ユーザーのこれからのスタイル作りや買い物の指針になることを目指す」
――親会社3社を含む12社42ブランドで始動した。品ぞろえは。
「ウィメンズファッションとウィメンズビューティ、メンズファッション、メンズビューティ、ホーム&フードの5カテゴリーを展開する。ホーム&フードはライフスタイルに分類される商品を扱う。最初は親会社3社のほぼすべてのブランドが入り、レディースファッションの比率が高いが、徐々にメンズのファッションも増やしたいし、ホーム&フードの領域ではインテリアや生活雑貨なども充実させる。オープン時は親会社3社が強い30~40代の働く女性や小さい子どもがいる層がターゲットとなる」
――ジュンとマッシュの合弁にデイトナも加わってスタートした。
「デイトナ・インターナショナルの『フリークスストア』はECチャネルも強く、当社が狙っているお客様にぴったりの商品が提供できる。引き続き、新サイトに共感してくれる企業さんに参画してもらいたい」
――誰でも情報を発信できる時代に重視することは。
「メディア感だ。女性キュレーターはとくに気合いが入っている。自分のSNSでフォロワーを集めるのは限界があるが、いろいろなブランドやキュレーターが集まって発信するサイトになると、それだけ多くのユーザーをターゲットにでき、さまざまな形のコラボにつながる可能性もある。キュレーターからはいろいろなことに挑戦したいと言われている。また、各キュレーターが運営するサイトやSNSとのリンクを自由にしている。ユーザーも行き来できるようにし、その中で『スタイルヴォイス』がネットワークのハブの役割を担えればいい。紙の雑誌にはできないことだ」
――KPIは。
「売上高と会員数を重視するが、来春くらいまでは登録会員数と自社SNSのフォロワー数を伸ばしたい。今年12月からは定期的にインスタライブを実施しファンを作っていく。最初に売上高を重視し過ぎると売りやすい商品に片寄るため、ターゲット層が満足できる品ぞろえと情報力を目標にしたい。売上高としては立ち上げからの1年間で20億円、3年後に50億円を目標にしていて、親会社にはその水準で在庫を押さえてもらう」
――服をネットで買う人が増えている。
「長く紙のファッション誌にたずさわってきたが、ファッションECでは楽天さんなどと組んで低価格帯のアイテムやコスパの高い商品を発信し、気軽にファッションを楽しむ提案をしてきた。一方、多少高くてもデザインなどが自分のライフスタイルにフィットし、それを着るだけで気分が上がるアイテムとの出会いもある。とくに女性は身につけるものによって1日の気分が決まるところはあるが、仕事や子育てなどに忙しく、服はネットで買ってすますという現状も理解している」
――「スタイルヴォイス」の方向性は。
「私自身もアパレル数社の自社ECを頻繁に利用している。新しい服に出会うワクワク感や選ぶ楽しさはあるが、ECでは販売員とのコミュニケーションがとれなかったり、商品を身につけた自分を想像しづらかったりする。ECでも”明日の自分”をイメージできるサイトを作りたい」
――雑誌はそういう役割を担っていた。
「その通りで、昔は雑誌で服のコーディネートを見せたり、その服を着ているシーンを見せることで、なりたい自分をイメージできる要素がたくさんあった。最近はそれがインスタグラムの中だったり、ショップ店員がイメージソースだったりするが、そうした要素を手軽に体感できる場所をスマホの中に作りたい」
――楽天などとの協業で得たことは。
「コンテンツの中身はもちろんだが、とくに大事だと思ったことはふたつ。ひとつは当たり前だが商品購入のユーザビリティーで、これは検証して修正を続ける以外になく、直感的に買い物ができるサイトにしていく。システムだけが優先されてもダメで、雑誌でユーザーと接してきた経験から、こういう操作をするとユーザーの気持ちはこう動くということが肌感として分かる。そうした部分をシステム担当に伝えて実際の画面に落とし込む難しさはある」
――もうひとつは。
「雑誌は昔、読者が集まってコミュニティーを作っていた。新サイトも買い物だけでなく、情報収集やトレンドのチェックができたり、リアルの場で講座などを開いてユーザー同士の情報交換ができるようにし、昔の雑誌と読者の関係性に近づきたい。そういうことをウェブユーザーも求めている気がしている」
――ファッションを軸にしたECモールは多いがどう差別化するのか。
「新サイトの柱になるのがキュレーターの存在で、開始時にはスタイリストやモデルなど影響力のある11人が参加している。新サイトはECでありながらメディアの側面が強く、各キュレーターが今の時代が必要としている記事コンテンツを発信し続ける。社名やサイト名の『ヴォイス』にも表れているが、いろいろな人の声が集まり、ユーザーのこれからのスタイル作りや買い物の指針になることを目指す」
――親会社3社を含む12社42ブランドで始動した。品ぞろえは。
「ウィメンズファッションとウィメンズビューティ、メンズファッション、メンズビューティ、ホーム&フードの5カテゴリーを展開する。ホーム&フードはライフスタイルに分類される商品を扱う。最初は親会社3社のほぼすべてのブランドが入り、レディースファッションの比率が高いが、徐々にメンズのファッションも増やしたいし、ホーム&フードの領域ではインテリアや生活雑貨なども充実させる。オープン時は親会社3社が強い30~40代の働く女性や小さい子どもがいる層がターゲットとなる」
――ジュンとマッシュの合弁にデイトナも加わってスタートした。
「デイトナ・インターナショナルの『フリークスストア』はECチャネルも強く、当社が狙っているお客様にぴったりの商品が提供できる。引き続き、新サイトに共感してくれる企業さんに参画してもらいたい」
――誰でも情報を発信できる時代に重視することは。
「メディア感だ。女性キュレーターはとくに気合いが入っている。自分のSNSでフォロワーを集めるのは限界があるが、いろいろなブランドやキュレーターが集まって発信するサイトになると、それだけ多くのユーザーをターゲットにでき、さまざまな形のコラボにつながる可能性もある。キュレーターからはいろいろなことに挑戦したいと言われている。また、各キュレーターが運営するサイトやSNSとのリンクを自由にしている。ユーザーも行き来できるようにし、その中で『スタイルヴォイス』がネットワークのハブの役割を担えればいい。紙の雑誌にはできないことだ」
――KPIは。
「売上高と会員数を重視するが、来春くらいまでは登録会員数と自社SNSのフォロワー数を伸ばしたい。今年12月からは定期的にインスタライブを実施しファンを作っていく。最初に売上高を重視し過ぎると売りやすい商品に片寄るため、ターゲット層が満足できる品ぞろえと情報力を目標にしたい。売上高としては立ち上げからの1年間で20億円、3年後に50億円を目標にしていて、親会社にはその水準で在庫を押さえてもらう」