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新ブランドは、仕事や育児で時間のない女性がコーディネートに悩まずに着用できる服を提案。着回し可能なジャケットやワンピースなど、さまざまなアイテムの組み合わせによるセットアップ企画を充実させているのが特徴だ。
オンワード樫山はキャリアブランドを数多く手がけるが、「アンクレイヴ」では従来以上に消費者に歩み寄って”リアルな服”を展開する。企画・デザインを社内で行い、全体の9割程度を自社協力工場で生産。「消費者が求める納得感の高いプライスを追求した」(髙橋純クリエーション・宣伝・マーケティング室ネットブランド開発部長)という。
百貨店品質の商品を半値近くのリーズナブルな価格で提供する一方、着用時期が長く、継続販売しやすい商品を厚くしてセール販売は極力避けたい意向だ。
実店舗を持たず、フルコーディネートの商品展開は必要ないため、シーズンのマストアイテムを縦積みして毎月提案する。EC限定ブランドであってもフリーサイズではなく、原則3サイズで展開。アパレルメーカーとして培ってきた高い品質の物作りを、自社ECのプラットフォームに乗せて販売し、EC市場でも存在感を高める。
新ブランドの開発に当たっては、クリエイティブディレクターにファッションエディターの東原妙子さんを迎え、等身大の女性によるプロジェクトチームを編成した。ブランドのトータルプロデューサーには数々のブランドをプロデュースしている宮井雅史さんを起用。働く女性のニーズに応えた提案を行う。
幅広い年齢を対象にしているが、とくに30代~40代前半の女性の開拓につなげたい意向で、来春の「オンワード・クローゼット」での販売に先駆けて公式SNSを開設し、新ブランドの世界観やニュースの配信をスタートした。
11月20日には東京・代官山でEC限定ブランドとしては初となる展示会を開催。モデルやスタイリストなど約300人を招待し、SNSでの拡散にも期待している。
また、消費者とのタッチポイントを増やす目的でポップアップショップの出店も計画しており、認知度向上を図ってECチャネルでの売り上げ拡大を目指す。当初は自社ECでスタートするが、外部ECモールでの販売も視野に入れる。
同社ではこれまで、「店舗運営で利益を出す方程式を組み立ててきたが、実店舗を持たないブランドとしての成功例を作りたい」(髙橋部長)と意気込む。
なお、「アンクレイヴ」の春夏商材の中心価格帯はコートが税別2万5000円、ジャケットが同2万2000円、ブラウスが同8800円、カットソーとニットが同9800円、パンツとスカートが同1万2000円、ワンピースが同1万6000円となる。