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ジョセフジョセフ 英国キッチン用品を展開、機能性のごみ箱などがヒット

2019年11月 7日 14:00

 英国のホームウェアブランドを展開しているJoseph Joseph(ジョセフジョセフ)では、デザインや機能性で訴求したキッチン周辺商品の販売を伸ばしている。子育て中の30~40代の女性顧客が中心に顧客開拓が進んでいる。

 同ブランドは英国人の兄弟デザイナーが起こしたもので、製造は中国などの協力工場で実施。日本では以前より販売代理店を通じて展開していたが、2016年に国内に販売子会社を立上げて、同社で通販や卸先の実店舗などのルートを使って販売している。

 通販での主な販路としては仮想モールのほか、大手総合通販企業向けの卸などがある。販売比率で見ると、ECでの割合が全体の25%、その内、通販関連企業向けの卸は12~13%。残り75%が実店舗企業向けの卸となっている。

 取扱商品は、まな板や保存容器といったキッチン用品をはじめダストボックス、バス・トイレタリー用品など。商品の価格帯は2000円~1万円が中心となる。常時250~300商品を取り扱い、春夏秋冬それぞれで30~50アイテムの新商品を出して入れ替えを行っている。

 通常、米国など海外のキッチン用品はサイズが大きいものが好まれる傾向にあるが、英国が出自の同ブランドについては同国で都市化が進んでいることもあって、住宅内スペースの有効活用を意識して小型化で多機能の商品を多く展開。日本の住宅事情に近しい傾向になっていることから、必然的に日本市場とも親和性の高い商品が生まれているようだ。

 直近のECでの売れ筋は、圧縮することで中にあるごみの体積を約3分の1まで減らすことができるダストボックスの「クラッシュボックス」(30リットルサイズで、税込価格2万7500円~2万9700円)。ごみに直接手で触れることなく、容易に圧縮できる構造で、脱臭フィルターなども付属している。

 18年の夏頃よりテレビの情報番組などで相次いで取り上げられたこともあり、放送翌日から大きく売り上げが伸長。当初は年間約3000台の販売数だったが、1万6000台以上を販売することができた。

 なお、キッチン関連用品での売り上げについては直近2年間で30~40%増で伸長。クラッシュボックスを含めた売り上げでは3倍以上となっている。

 販促手段には雑誌媒体への広告出稿を活用。昨今はメディアの中でも雑誌広告費がリーズナブルになっていることもあり、料理やファッションなどを扱う媒体への出稿を続けており、読者だけでなく、キッチン用品関連のインフルエンサーへの認知を広める意味合いもある。同社によるとインフルエンサーがネットで情報拡散する際に、そのネタ元として紙媒体を特に参考にする傾向があるという。前述のテレビメディアでの露出についても、こうした紙媒体からの訴求が一定の効果をもたらしていると考えている。

 今後についてはECの構成比の拡大をあげており、同社の場合は、短期間で商品を入れ替えているため、商品の露出がコントロールしやすいネットでの販路開拓を強化していく。商材についてもキッチン用品だけでなく、トイレタリーや洗面関連などカテゴリーを拡大。生活に関連するあらゆるシーンでの展開を目指しており、プラスチック商品に贈答品としての価値をもたらすための商品開発を継続する考え。

 
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