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トウ・キユーピー 化粧品通販を本格化、3年で10億円の売上目指す

2019年 9月19日 13:15

 健康食品通販を行うトウ・キユーピーが化粧品通販を本格化する。10月1日に美容ジェルを発売。ヒアルロン酸原料を扱うグループの知見を活かした処方設計で差別化を図り、初年度に商品単体で2億5000万円の売り上げを目指す。2022年11月期に同10億円のブランドに育成する。
 
 新商品は「HYALOONE(ヒアロワン)」(=画像、50グラム、税抜7200円)。分子量や機能の異なる6種類のヒアルロン酸を配合することで、肌内部から肌表面の保湿に対応。乾燥やシワ、敏感肌、など女性のさまざまな肌悩みに対応する。ウェブや新聞を中心に新規獲得を行い、検証を行った上でインフォマーシャルの展開も視野に入れる。

 キユーピーは、ヒアルロン酸原料の国内シェアの4割を持つとされる。扱う原料は広く認知があり、食品にも使われる「ヒアルロン酸Na」のほか5種類。その中でも「HAbooster(HAブースター)」は、最も浸透性が高く、肌奥でコラーゲンの産生や分解に関わる細胞に働きかけ、ターンオーバーを活性化する。海外では化粧品原料として人気の高い独自原料だが、国内では今回、化粧品に初めて配合した。

 ほかに、低分子化により浸透性を高めた「ヒアロオリゴ」、通常のヒアルロン酸より水分を囲い込む機能が高い高保湿型の「ヒアロキャッチ」、親油性で肌のラメラ構造の維持を助ける「ヒアロリペア」を配合する。親水性が高く、肌に吸着しにくいヒアルロン酸の弱点を補った「ヒアロベール」は、洗顔後も肌表面に吸着して保湿する。

 トウ・キユーピーは14年に化粧品ブランド「キユートピア」を立ち上げた。ヒアルロン酸原液の「ピュアヒアロ」、低分子化したヒアルロン酸を配合した「モイスチャーミスト」の2アイテムを展開。ただ、油分を含まない処方設計で、肌の水分蒸散を抑える機能に課題を残していた。食品メーカーで化粧品の販売ノウハウも不足していたことから、スペシャルケア商品の展開のみにとどまっていた。

 一方、健康食品は、主力の「ヒアロモイスチャー240」が肌の保湿関連の機能性表示食品で届出したことなどを背景に、ここ数年で安定的な顧客基盤を築いた。18年11月期も商品単体で約14億円の売り上げに達している。

 愛用者イベント等を通じて美容に関心の高い顧客層のニーズの把握が進んだことから、化粧品通販を本格化することを決めた。

 ヒアルロン酸は、コラーゲンなどと比べまだ消費者の認知が遅れている分野。トウ・キユーピーの顧客層も美容に対する関心が高く、知識が豊富な層が中心になっている。新商品も多様な機能を持つヒアルロン酸の認知を図れるかかがカギになりそうだ。
 
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