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【有力企業の通販戦略 JTB商事】 名産品・旅行品ECが好調、グループポイント連動で集客拡大

2019年 9月12日 14:30

 旅行関連事業などを手がけるJTB商事では、国内・海外の名産商品や旅行関連用品などを販売する通販サイト「JTBショッピング」(画像)での売り上げが右肩上がりで伸びている。

 同サイトは2017年4月に開設し、国内、海外など各方面別の土産物品や名品・銘菓、雑貨など4500アイテムを販売。そのほか、カタログギフトや旅行用品も取り扱っている。国内商品については独自開発商品が多く、この2年間で200社近い仕入れ先と新規契約を結ぶなど拡大が進んだ。

 特に人気となっているのが菓子類で、地域の銘菓でギフトとしての需要もある2000円~3000円の商品が中心。ネットでの卸先が少ない名店の商品も多く、土産や自家需要の切り口で日持ちがしない商品も人気となっている。商品開拓に当たっては、全国にあるJTBの支店を通じて地域の隠れた名店との取り引きが始まることもあるようで、グループの強みも生かした連携を図っている。

 同サイトでは立ち上がりから毎年前年比30~40%増程度のペースで売上高が伸長。成長の背景には18年10月から「JTBトラベルポイント」を同サイトでの商品購入時の支払いでも利用できるようにしたことも大きく関わっている。

 同ポイントはJTBグループの会員組織である「JTBトラベルメンバー」(18年6月末時点で約1500万人)が旅行商品を予約購入した際や、各種キャンペーンなどの利用で貯めることができるもので、利用可能となった昨年については繁忙期である12月の売上高が前年同月比で300%の伸び率を見せるなど大きな集客効果があった。

 ポイント有効期限の失効月が貯めた年の翌年の12月になることもあり駆け込み需要を獲得できたほか、並行して会員メルマガなどで年間を通じた人気商品でもあるおせちのPRを行ったことも大きく寄与した。

 これまで同ポイントについては、旅行の支払いに使うことが一般的な使い道だった。しかし、旅行の時間がとれなかったり、端数に当たるようなポイントを使いきることが難しい面もあったという。「(同サイトでは)安価な1000円からの商品もあるので失効することなく使い切ってもらえる。そうした顧客のニーズにうまく応えることができた」(同社)とした。

 なお、現在の同サイトの利用者としては40代~50代が一番多く、トラベルポイントが利用可能となってからはやや年齢層が上がったもよう。

「旅」の意識をより強く

 今後については、競争の激しいお取り寄せEC市場での勝ち残りに向けて、JTBグループの強みでもある「旅」をより意識したサイトとして差別化することを課題として提起。その一つが旅行用品ジャンルの拡大で、従来からあるような旅行携帯グッズだけでなく、歩きやすさをサポートするインソールやリカバリーウェアなど、旅中の悩みを解決するような機能性商品の開発にも力を入れていく。

 また、数値目標として今期以降も現状の伸び率を維持することを目指している。
 
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