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ペット商品通販サイト展開の狙い③、ヤマトロジスティクス、ペット以外でも展開構想

2010年 7月11日 20:05


「TSS」活用の新たな販路、ノウハウなど蓄積へ

「トゥデイ・ショッピング・サービス」(TSS)の仕組みを活用し、メーカーや通販事業者に短時間配送や同梱の機能を備えた新たな販路の提供を目指すヤマトロジスティクス(YLC=本社・東京都中央区、山内雅喜社長)。その第1弾となるペット関連商品の通販サイト「ペットライフサポート」では、展開拡大に向けた取り組みを積極化しているが、さらに他のカテゴリーでも、同様のサービスを提供していくことを視野に入れる。

 「ペットライフサポート」では、これまで中部地区を中心に行ってきた告知活動を関東地区でも開始。現状、同サイトは物販が中心だが、YLCでは今後、動物病院やペットホテルとの提携、保険の取り扱い、葬儀の対応などトータル的なサービスを用意し、「サイトを覗けば、ペットに関する問題を解決できるようにしたい」(星野芳彦常務執行役員)とする。

 「ペットライフサポート」は、まだテストの位置付けで、展開の拡大に動き出したばかりだが、YLCが構想しているのは、ペット以外のカテゴリーでの「TSS」を活用した同様の展開。イメージとしては、カテゴリーごとに独立したサイトを設け、「消費者の生活に密着した商品やサービスが揃ったサイトが幾つもある」(同)といった形だ。

 この取り組みでYLCが重視するのは、「TSS」を商品同梱のインフラとして機能させること。

 「TSS」では、対応物流拠点に商品を在庫する形だが、同一の対応物流拠点に在庫する複数商品を同じ顧客が注文した際に同梱して発送すれば、1事業者当たりの配送コスト負担を軽減でき、顧客の利便性向上にもつながる。メーカーや通販事業者に対し、仮想モールや自社通販サイトに加えた新たな販路として提案を進める上でも、同梱するほど安いコストで利用できるというスキームが確立できれば、大きな訴求ポイントになるわけだ。

 既に「ペットライフサポート」でも同梱を行っているが、将来的に取り扱いカテゴリーが広がった場合には、美や健康といったテーマを設け同梱する商品をコラボレーションすることを構想。そのためのノウハウの蓄積を進めていく。

 カテゴリー特化型の仮想モール的なサイトを幾つか作りメーカーや通販事業者に新たな販路として提供する。これがYLCの描く青写真だが、サイトの運営については課題もある。

 YLCの主眼は、「TSS」のスキームを活用し、物流や商品配送、決済などを連携させたサービスを提供することで、「(YLCとして)物販を行う考えはない」(星野常務執行役員)。ただ、同梱商品のコラボレーションなど、YLCがある程度サイトの運営に関与する必要もあり、仮想モール運営事業者的な役割を担うことにもなる。この部分については、YLCでも微妙な問題と捉えており、「ヤマトグループとして考えていかなければならない」(同)とする。既存の通販事業者や仮想モール運営事業者との兼ね合いもあり、慎重に対応を検討していく構えだ。

 YLCの「TSS」を活用した取り組みには、まだ解消すべき課題はあるが、新たな販路として定着すればネット販売への参入や顧客満足度の向上を検討するメーカー、通販事業者等にとってメリットは大きい。今後の展開が注目されるところだ。

(おわり)

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