動画サイト運営のエブリーでは、スマートフォン向けのライブコマースアプリ「CHECK(チェック)」において、ロフトや東急ハンズといった有名小売り企業と協業した専門チャンネルの開設を進めている。今後はアパレル企業や家電メーカーなどとのコラボレーションも検討するほか、決済手段の拡充などで使い勝手を改善し、今夏以降の大規模なプロモーションにつなげたい構えだ。
チェックはエブリーとKDDIが昨年8月に提供開始したアプリで、生放送のショッピング番組で出演者が商品を紹介、ユーザーはその場でコメントが可能なほか、ライブ中に商品を購入することもできるというもの。エブリーの梶原大輔取締役CTO兼CHECKカンパニー長は「まだ大規模なプロモーションを行っておらず、閲覧数などはそこまで伸びていないが、まずはKPIの改善に務めている」と現状について説明する。
まず、重要な指標となるのがアプリをいかに使い続けてもらえるか、つまり「継続率」。そして紹介される商品の「コンバージョン率(CVR)」だ。CVRに関しては「商品と紹介する出演者のマッチ度を重点的にみており、これが高いと通常のネット販売を上回る数字が出る」(梶原取締役)。そこで、出演者のイメージと紹介する商品に齟齬(そご)が生じないための取り組みを続けているという。
現在の出演者は200人弱。事務所に所属したモデルなどのほか、エブリーがSNS経由でスカウトした人もいる。インスタグラムの動画配信コンテンツ「インスタライブ」に出ているインフルエンサーなどが対象だ。これまで出演した人については、半年間で蓄積されたデータで「得意商品」の傾向が分かるが、新たに出演する人についても、データを踏まえてこうした傾向が割り出せるようになってきた。
企業の公式チャンネルを始めたのは昨年9月。まずはロフトのチャンネルを開設した。化粧品関連のイベント「コスメフェスティバル」の会場から注目商品の紹介と先行販売の特別ライブ配信を実施、CVRも通常時よりも高い数字が出た。
2月にオープンした東急ハンズ専門チャンネルは、2月から6月にかけて毎月商品カテゴリを変えてライブコマース配信を実施する。2月のテーマは「文具」で、14日の初回配信では、同アプリ初の試みとして、東急ハンズのバイヤーが出演し、マスキングテープを販売。「使い方を教えないといけないような啓蒙型商材なので、バイヤーに詳細な商品説明をしてもらい、ユーザーからのコメントやリアクションも多かった。インフルエンサーでは説明にも限界があるので、効果的だったのではないか」(梶原取締役)。
2月24日に開催された、東急ハンズのイベント「文具祭り2019」では、会場からライブ配信を実施。ワークショップやトークショー、人気文具メーカー約30社による販売会など、イベントの様子を30分番組で紹介したほか、クリアファイルなどの限定商品も販売した。
経営企画部事業開発の窪田拓也氏は「閲覧者数は1000を超えて、その日の他の時間帯の番組よりも圧倒的に多かった。大規模なプロモーションをしていない現状を考えると良い数字」と評価する。CVRについても初回配信と同程度の数字を確保。30分番組で3商品を紹介したが、トライ&エラーを繰り返しながら、商品説明の時間はどれくらいが適切かを探っていく。東急ハンズからも「番組制作にプロ感があり、やってよかったという感想をいただいた」(窪田氏)という。今後は番組枠を1時間に拡大したり、季節商品を販売したりといった取り組みを考えている。
公式チャンネルの料金体系は、商品の販売手数料と番組枠に対する手数料。現在はトライアル期間のため、後者の費用は発生しない。番組制作費用に関しても、現在は企業側が一部を負担する形だ。販売する商品は、東急ハンズの場合は同社側からの発送だが、エブリーの倉庫から発送する形を選ぶこともできる。(
つづく)
チェックはエブリーとKDDIが昨年8月に提供開始したアプリで、生放送のショッピング番組で出演者が商品を紹介、ユーザーはその場でコメントが可能なほか、ライブ中に商品を購入することもできるというもの。エブリーの梶原大輔取締役CTO兼CHECKカンパニー長は「まだ大規模なプロモーションを行っておらず、閲覧数などはそこまで伸びていないが、まずはKPIの改善に務めている」と現状について説明する。
まず、重要な指標となるのがアプリをいかに使い続けてもらえるか、つまり「継続率」。そして紹介される商品の「コンバージョン率(CVR)」だ。CVRに関しては「商品と紹介する出演者のマッチ度を重点的にみており、これが高いと通常のネット販売を上回る数字が出る」(梶原取締役)。そこで、出演者のイメージと紹介する商品に齟齬(そご)が生じないための取り組みを続けているという。
現在の出演者は200人弱。事務所に所属したモデルなどのほか、エブリーがSNS経由でスカウトした人もいる。インスタグラムの動画配信コンテンツ「インスタライブ」に出ているインフルエンサーなどが対象だ。これまで出演した人については、半年間で蓄積されたデータで「得意商品」の傾向が分かるが、新たに出演する人についても、データを踏まえてこうした傾向が割り出せるようになってきた。
企業の公式チャンネルを始めたのは昨年9月。まずはロフトのチャンネルを開設した。化粧品関連のイベント「コスメフェスティバル」の会場から注目商品の紹介と先行販売の特別ライブ配信を実施、CVRも通常時よりも高い数字が出た。
2月にオープンした東急ハンズ専門チャンネルは、2月から6月にかけて毎月商品カテゴリを変えてライブコマース配信を実施する。2月のテーマは「文具」で、14日の初回配信では、同アプリ初の試みとして、東急ハンズのバイヤーが出演し、マスキングテープを販売。「使い方を教えないといけないような啓蒙型商材なので、バイヤーに詳細な商品説明をしてもらい、ユーザーからのコメントやリアクションも多かった。インフルエンサーでは説明にも限界があるので、効果的だったのではないか」(梶原取締役)。
2月24日に開催された、東急ハンズのイベント「文具祭り2019」では、会場からライブ配信を実施。ワークショップやトークショー、人気文具メーカー約30社による販売会など、イベントの様子を30分番組で紹介したほか、クリアファイルなどの限定商品も販売した。
経営企画部事業開発の窪田拓也氏は「閲覧者数は1000を超えて、その日の他の時間帯の番組よりも圧倒的に多かった。大規模なプロモーションをしていない現状を考えると良い数字」と評価する。CVRについても初回配信と同程度の数字を確保。30分番組で3商品を紹介したが、トライ&エラーを繰り返しながら、商品説明の時間はどれくらいが適切かを探っていく。東急ハンズからも「番組制作にプロ感があり、やってよかったという感想をいただいた」(窪田氏)という。今後は番組枠を1時間に拡大したり、季節商品を販売したりといった取り組みを考えている。
公式チャンネルの料金体系は、商品の販売手数料と番組枠に対する手数料。現在はトライアル期間のため、後者の費用は発生しない。番組制作費用に関しても、現在は企業側が一部を負担する形だ。販売する商品は、東急ハンズの場合は同社側からの発送だが、エブリーの倉庫から発送する形を選ぶこともできる。(つづく)