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前期(2018年12月期)のEC事業を振り替えると、7~12月の下半期については各地で大規模台風や地震といった自然災害も多かったことからゴルフ需要が減少し、プレー頻度と相関関係の強いボールやグローブといった消耗品が苦戦した。一方で、1~6月の上半期が好調だったことで、通年では伸長した。
トレンドとしてはボールやグローブについてはプロパー商品よりも特価商品の人気が高く、グローブは特価商品の調達が進まなかったことで落ち込んだ。シューズについても、従来からの2万円台中盤の革靴タイプではなく、1万5000円~2万円のニット素材タイプなどが伸びたことで、購入単価は低下した。
一方でゴルフクラブとキャディバッグは堅調に推移。キャディバッグについては元々、商品サイズの都合から展示スペースが限られた実店舗よりも品ぞろえが豊富なECで売れやすい傾向にあった。加えて、昨年は物流費高騰の影響で他社での取り扱いが減ることを見越して、あえて品ぞろえを強化したこともあり売り上げが拡大。特にファッションブランドが展開したキャディバッグが好調で、結果的に全体の成長率よりも高い水準で伸びた。
なお、商品調達に関しては16年、17年に売れ筋商品の欠品が起きたことから、昨年より戦略を転換。これまでは3カ月分で発注を入れていたが、売れ筋の在庫を切らさないため6カ月分に変更。並行して昨年1月には物流センターを約1・5倍に増床して、前述のキャディバッグのような大型で収納効率の悪い商材でも大量に保管できるように改善した。
また、発注量の拡大により大手メーカー側の対応も変化。重点取引先の一つとして見られるようになり、交渉面でも柔軟な対応が期待できるようになった。
プレー同伴者向けクーポン
17年に開始した、ゴルフ場予約サービスと連動して販促シナリオを設計し相互送客につなげる「新会員制度」については開始1年間で需要が一巡。そのため、今年については新しいフェーズでの販促シナリオ設計を図っている。
これまではゴルフを主体的に行っている予約代表者のIDに向けた販促を行うことしかできていなかったが、今後は代表者と一緒にプレーする同伴者に向けても働きかけていく。「実は受動的な同伴者の方がECとの親和性が高い。わざわざ実店舗に行って(関連用品を)買うほどの強いゴルフ熱がまだないような状態なので、ECで手軽に済ませる場合が多い」(顔写真=リテールビジネスユニットの渡辺貴正ユニット長)と説明。
そのため徐々にではあるが、予約代表者に対して「同伴者向けのクーポン」をウェブで配布したほか、ゴルフ場でも同様に配布。現時点では大きな成果は出ていないものの、引き続き何らかのインセンティブを切り口に、スコア管理アプリなども通じてアプローチを図る考え。(つづく)