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消費者の購買行動が変化する中、UAは実店舗とECの垣根をなくし、両チャネルで同等のサービスを提供するには自社主導で機能追加などができる体制構築が不可欠と判断。自社EC開設から約10年が経ち、認知やECノウハウが蓄積されてきたことも決断を後押しした。
現在のEC運営体制では自社ECの在庫管理とカスタマーサポートをゾゾグループに委託しているが、新体制下では物流面は昨年5月に千葉県流山市に開設した自社の物流センターでEC在庫を管理し、発送業務を行うことで各種オムニチャネルサービスを実現するほか、出荷先が決まっていないフリー在庫の効率運用につなげる。カスタマーサポートについては自社のお客様相談室に統合し、実店舗とECの垣根を越えた一気通貫のサポート体制を築く。
自社運営の強みを生かしたオムニチャネル施策としては、オンライン試着予約や店頭決済商品の自宅配送、EC購入商品のコンビニ受け取りや駅、商業施設での無人ロッカー活用などに取り組む。また、物流の内製化によって商品お直し配送のアイテム拡充やギフトラッピングサービス、梱包品質改善などを進める。
UAではEC運営体制の変革に伴い、来期はシステム投資などに約16億円をあてる。自社ECのコスト構造については、現状は売り上げ額に対して一定比率の手数料を支払っているため、売り上げ拡大に比例してコストも増加するが、新体制ではシステム使用料など一部の費用を固定費化し、自社物流拠点の活用とカスタマーサポートの内製化によって低コスト運用が可能とする。
また、これまでできなかった各種サービスを実現することで、自社ECは「少なくとも数年は年率40%程度の成長率を維持できる」(竹田光広社長)とする。その場合、自社ECの販管費率は従来よりも3~6ポイント改善する見立てだ。加えて、実店舗と自社ECの連動性を高めることで、リアル店舗の売り上げ成長にも寄与すると見ている。
なお、自社ECの運営支援はゾゾグループから変更するが、「ゾゾタウンはファッションが好きな消費者に対して広い間口があり、当社ブランドを知ってもらう売り場として大切」(竹田社長)としており、「ゾゾタウン」を退店する考えはないとしている。